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米上院、対イラン戦争停止の決議案を初可決 両院そろってトランプ政権を批判
サリーン・ハベシアン
米連邦議会上院は23日、ドナルド・トランプ大統領に対し、イランでの戦争を停止するか、軍事行動を継続する前に議会の承認を求めるよう指示する決議案を可決した。上院は与党・共和党が過半数を占めている。
決議案は賛成50、反対48で可決された。共和党議員の数人が民主党議員に同調し賛成に回った。議会として超党派で、イランとの紛争と、4月に合意した停戦に対して懸念を示す格好となった。
ただ、この決議は象徴的な意味合いが強い。これで上下両院での可決となったが、トランプ氏に送られ検討されることはなく、法的拘束力ももたない。
米国民に不人気な紛争が5カ月目に入ろうとするなか、共和党議員らは、トランプ氏が先週イランと合意した和平計画に対し懐疑的な見方を示している。
決議は「戦争権限法」に基づくもの。同法が1973年に制定されて以降、大統領に軍事行動の終結を指示する両院一致決議案が、連邦議会の両院で承認されたのは初めて。
両院一致決議は、大統領の署名を経て法律となる立法行為と異なり、議会の意向や意思を表明するもの。2019年には、イエメン内戦における敵対行為から米軍を撤退させることを求めた両院一致決議案が可決されたが、当時1期目のトランプ大統領は拒否権を行使した。
中東アナリストのローラ・ブルーメンフェルド氏は、今回の決議について、「法的拘束力がないため、手かせをはめるというより、手首を軽くたたく程度」とBBCにコメント。ただ、「米国民の心情を反映したものではある」とした。
アメリカでは、ガソリン価格の高騰を受け、イランとの戦争に対する不支持が広がっている。この日の両院一致決議案の可決は、戦争を終わらせるようホワイトハウスに圧力を強める点で重要な意味をもつ。
同様の決議案は下院でも今月初旬、215対208の賛成多数で可決された。共和党の4議員が民主党の全議員に加わって賛成した。
ホワイトハウス関係者は、イランとの間では4月7日に停戦で合意しており、米軍が撤退すべき敵対行為は存在しないとBBCに話した。また、決議案が上院で可決されたのは、共和党のミッチ・マコーネル、デイヴ・マコーミック両議員が欠席していたためだとした。
共和党から決議案に賛成したのは、ランド・ポール、リサ・マコウスキー、スーザン・コリンズ、ビル・キャシディの4上院議員。一方、民主党からはジョン・フェッターマン上院議員が唯一、反対に回った。
共和党内の分裂が明らかに
今回の決議案の可決は、中間選挙を11月に控えるなか、トランプ氏を支える共和党で内部分裂があることを示す最新の事例となった。中間選挙では、共和党が両院で過半数を維持できるかが決まる。
共和党では最近、一部の議員がトランプ氏にあらがう動きを見せている。政権の意向に逆らって、「反武器化」基金の設立案に反対したり、ウクライナ支援を承認したりしている。
この日の決議案の採決は、アメリカとイランの戦争が始まって以降、戦争権限をめぐって民主党が上院で実施に持ち込んだ10回目のものだった。
同じ日、国防総省は議会に対し、約800億ドル(約13兆円)の予算を求めた。大部分はイランとの戦争費用に充てられる見通し。
連邦法の戦争権限法は、軍事行動を60日以上継続するには議会の承認が必要と定めている。アメリカとイスラエルは、イランへの空爆を2月28日に開始。ただしトランプ政権は、戦争期間のカウントは4月の停戦でいったんリセットされたと主張している。
政権はまた、国家安全保障を理由に、議会承認が必要になる期限を30日間延長もできる。
アメリカとイランは現在、停戦の継続で合意している。両国大統領が先週署名した覚書に基づき、敵対行為の終結に向けた協議を開始している。
覚書に基づき、両国の間では、イランの核開発計画の終了に関するより広範な合意のために60日間の交渉期間が設定されている。