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【解説】 バーナム氏、数週間後にも次期英首相になる可能性が濃厚 スターマー氏辞任で
ジャック・フェンウィック、ヘンリー・ゼフマン、ハリー・ファーリー、ニック・アードリー(BBCニュース)
22日午前10時過ぎ、アンディ・バーナム氏は、数日前から明白だったこと、すなわち自身が次の労働党党首、ひいてはイギリスの次期首相になるために立候補すると、ついに明言した。
先の英イングランド北西部メイカーフィールド選挙区での補欠選挙に勝利し、下院議員となったバーナム氏は、マンチェスターからロンドンへ向かう列車の中でソーシャルメディアに、「私はこのプロセスの一環として立候補する」と投稿した。
この列車がロンドン・ユーストン駅に到着するまでに、党首選で対抗馬になるとみられていたウェス・ストリーティング前保健相は、対決する考えはないとし、バーナム氏への支持を表明した。
この時点で、キア・スターマー首相が辞任演説で推奨しているようにみえた本格的な党首選が行われる可能性は、ほとんど消えたようにみえ始めた。
ストリーティング氏はこれまで、「理念の戦い」の必要性について語っていたが、いまとなっては「小さな違いを誇張して夏を浪費」しない方が良いと述べた。
この動きは、同氏の支持者の多くを驚かせた。
ストリーティング氏の意向表明の直前、同氏に近い関係者の1人は「多くの同僚」が依然として同氏に、バーナム氏に対抗して出馬するよう促していたと述べた。
別の支持者は、「(バーナム氏の)明確性の欠如を懸念している」とし、党首選が必要だと述べた。
ストリーティング氏は、補選後にバーナム氏と「長時間にわたり話し合った」ことは認めたが、閣僚職を提示されてはいないと述べた。
しかし労働党内では現在、バーナム政権が実現した場合、ストリーティング氏が閣内の上級ポストを与えられるとの見方が広がっている。
やはり党首候補と目されていたアンジェラ・レイナー前副首相は、労働党は「労働者のための成果を実現するため、さらに2倍の努力が必要だ」と述べた。
バーナム氏への明確な支持表明は避けたものの、レイナー氏が出馬の準備を進めているとはみられていない。
メイカーフィールドでの選挙を通じて、スターマー氏の支持者の間では、バーナム氏が厳しい検証に十分に対処できていないとの見方が強まりつつあった。
選挙前、バーナム氏はBBC番組「ニュースナイト」のインタビューで、以前に順守すると約束していた政府の財政ルールの内容を挙げることを拒否した。このことは、前記の見方を確実にしたにすぎなかった。
同氏は当時、国政レベルに関する多くの質問に対し、自分は単にメイカーフィールドの議員に立候補しているにすぎないとして回答を拒否した。
スターマー氏に忠実な議員らは、他に対抗馬がいない場合、バーナム氏の政策基盤を試す手段として自分たちの陣営から候補を擁立する案を協議していた。
また、一部の労働党議員は、首相官邸のダレン・ジョーンズ首席首相秘書官に立候補を検討するよう促しており、ジョーンズ氏自身もその可能性を否定していないとみられている。
ジョーンズ氏の友人らは、最終的には出馬の可能性は低いと考えているが、バーナム氏については、首相としての展望や、さまざまな分野における政策感覚を、まだ十分に提示していないとの懸念を示している。
しかし、党首選は開始前に事実上、終わっていたとの疑念が仮にあったとしても、バーナム氏が議会での集合写真のために到着した際、約200人の労働党議員が歓声と拍手で迎えたことによって、それは払拭(ふっしょく)されたはずだ。こうした写真撮影は、補選の勝者に対して行われる慣例だ。
ただ、議場に漂っていた期待のざわめきは、これが決して通常のものではないことを明白に示していた。雰囲気は単なる祝いの域を超えていた。
この場にいた議員の顔ぶれを考えると、補選の勝者との写真撮影と、新たな党首を推戴するための集まりとが区別できないほど、その場は後者の性格も帯びているように見えた。
レイチェル・リーヴス財務相とジョナサン・レイノルズ院内幹事長はこの時、共に中央の最前列に立っていたが、この6時間ほど前に行われたスターマー氏の辞任演説には立ち会っていなかった。
また、ジョーンズ氏のほか、スティーヴ・リード住宅相やニック・トーマス=シモンズ内閣担当相(欧州連合担当)など、スターマー氏の主要な側近らも同席していた。
2002年にボリス・ジョンソン元首相が、保守党議員によって辞任に追い込まれた時に述べたように、「群れが動くときは、一斉に動く」という状況だった。
公式の写真撮影後、バーナム氏は携帯電話を取り出し、群衆と共に自撮り写真を撮影しようと、全員を1枚に収めるために身を乗り出した。
バーナム氏の背後に立っていたのは、労働党のあらゆる派閥に属する議員らだった。
ストリーティング氏やジョーンズ氏といった党の右派とみなされる人物に加え、ジェレミー・コービン元党首による労働党プロジェクトで中心的役割を果たした左派の有力者も現れ、バーナム氏を応援した。
スターマー氏に依然として忠実な政府補佐官の1人は、すべての派閥を満足させる方法を考えなくて済むことをうれしく思うと述べた。
だが、スターマー氏の追放は誤りだと考える一部の議員と、ストリーティング氏の方が後継者にふさわしいと考える別のグループは、なおも党内の結束を困難にする可能性がある。
一方、バーナム氏に近い関係者の間では、プロセスをどの程度の速さで進めるべきかについて意見の相違がある。
同氏のチームは先週末、権力の移行は9月が望ましいと明確にしていた。
しかし、党首選が行われないのなら、早ければ7月16日にも、バーナム氏がダウニング街10番地の首相官邸の扉をくぐる可能性が高いとみられている。
数カ月にわたりバーナム氏の政策策定に関わってきた関係者の1人は、準備状況について「十分に整っていない」と述べ、たとえ党首選がなくても、秋まではスターマー氏が続投する可能性があると語った。
この関係者は、秋までに次期政権の閣僚や顧問を選定したうえで、8月に「就任協議」を実施し、新政権の準備を万全にすると示唆した。
だがこれは、バーナム氏の側近の大多数が共有する見解ではない。
別の関係者は、「日程は日程であり、我々に選択の余地はない。候補が彼1人だけなら、7月に首相になる」と述べた。
党首選の日程は労働党の最高意思決定機関である全国執行委員会が決定するが、党首選が行われない場合は、スターマー氏自身の判断に委ねられる可能性が高い。
首相の側近の1人は、スターマー氏には、バーナム氏の準備期間を延ばすためだけに党首にとどまる意思はないだろうとの見方を示した。
政策立案は住宅や交通などの分野で、この数週間にわたり進められてきた。
一部の顧問らは、バーナム政権で特定分野において借り入れを増やす方法を検討してきた。
しかしバーナム氏の側近らは、防衛、エネルギー、福祉といった分野で検討が十分に進んでいないことを認めている。
英政界でまた激動の1日が終わりに近づくなかで、これらすべてを一体的な政府と機能する政治プロジェクトとしてまとめ上げる責任が、バーナム氏に委ねられることは、ほぼ確実な状況となった。