6年行方不明でフランスで発見されたイギリス人少年、母を守るためうそをついたと英紙に

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6年間行方不明だったイギリスの少年がフランスでひとりで歩いているのを発見され、イギリスで大きな話題となっている。帰国したアレックス・バティさん(17)は21日付の英タブロイド紙サンに対して、定住せずに移動し続ける暮らしを母親と送っていたとし、母親を警察から守るために発見までの経緯についてうそをついたのだと話した。また、自分の将来のことを考えて帰国を決めたと述べた。

2017年に行方が分からなくなったバティさんは今月13日早朝、フランス南部トゥールーズ近くのピレネー山脈のふもとで、通りかかった配達車の運転手に発見された。バティさんは母親と祖父と共にスペイン旅行に出かけたのを最後に、行方不明となっていた。

バティさんは運転手の電話を借りて、イギリスに暮らす祖母に「愛してる。家に帰りたい」とメッセージを送ったという。

配達車を運転していたファビアン・アッシディニさんは、早朝に雨の中を一人で歩いている少年が気になり、声をかけたのだと話した。アッシディニさんはバティさんの捜索願が出ていることをインターネットで確認し、警察へ届けた。

警察は、バティさんの行方不明に絡んで母親と祖父を指名手配し、行方を追っている。2人にはともにバティさんの親権はないという。

誘拐での逮捕を心配してうそと

トゥールーズの警察に保護されて帰国したバティさんは、イングランド北部オールダムで、法的な保護者の祖母と暮らし始めている。

タブロイド紙サンに対しては、定住しない集団との暮らしから逃げ出したとし、母親と祖父を守るために、警察にうそをついたのだと話した。

自分を発見したアッシディニさんには、山の中から出発して4日間歩き続けているのだと話したが、実際には2日間で、まずクイランの町へ向かい道に迷ったふりをしてから、トゥールーズへ向かったのだと、バティさんはサンに話した。

母親と祖父が児童誘拐で逮捕されるのではないかと心配して、2人を守ろうと「うそをついていたけど、たぶんどうせ捕まるんだと思う」とバティさんは取材に答えた。「道に迷ったりしていない。どこに行くのか、ちゃんとわかっていた」。

バティさんは、ピレネー山脈で世間から切り離され、移動しながら暮らす生活について、「14歳か15歳のころ」に疑問を抱くようになったのだとサンに話した。自分はソフトウェア・エンジニアになりたいのだとして、このままでは「将来のために良い暮らし方じゃないと気付いた」のだという。

このまま母親と一緒にいれば、「あちこち動き回って、友達もいないし、社会生活もなくて、ただひたすら働くだけで、なにも勉強できない」生活が続くだけだと思ったのだという。母親については頑として帰国に反対していたとし、イギリス当局に死亡しているのではと思われていた祖父については生きているとも、サンに話した。

祖母スーザン・カルアナさんは孫が失踪中の2018年にBBCに対して、バティさんの母メラニーさんと祖父デイヴィッドさんが彼を連れて、モロッコにあるスピリチュアルな集団と暮らし始めたのだと思うと話していた。娘たちは一般的な暮らし方とは異なるライフスタイルを求めて、息子を学校に行かせたくないのだとも、カルアナさんは話していた。

メラニーさんとデイヴィッドさんは2017年9月30日に、スペイン・マルベラで1週間を過ごす休暇旅行の予定でバティさんを連れてマンチェスターを出発。帰国予定の同年10月8日に、スペイン南部マラガ港にいるところを目撃されたのを最後に、バティさんは行方が分からなくなっていた。

バティさんはサンに対して、祖母カルアナさんと母方の祖母に再会できて「本当にうれしかった」と言い、祖母に会えた時は「ふるえていた」とも話した。

今後は大学に行き、フランス語の勉強を続け、コンピューター科学を学びたいとしている。

バティさんを保護した南仏トゥールーズのアントワーヌ・ルロワ検察官は記者団に、バティさんが母親と一緒にいた集団は特定のエネルギー源を嫌い、移動先には必ず太陽光発電パネルを持参していたと話した。この集団で暮らしていた間、バティさんが学校に通っていた形跡はないという。

この集団を語る際にバティさんが使った表現は「スピリチュアル」で、「カルト」という単語は出なかったと、検察官は話した。身体的に暴力を受けた形跡もないという。

ピレネー山脈のふもとは、一般とは異なる生活を求める人たちが集まることで知られている。