米国債の格付け、最上級から1段階引き下げ 財政悪化を格付け会社が懸念

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格付け会社フィッチ・レーティングスは1日、アメリカ国債の格付けを、財政悪化や債務負担への懸念を理由に、最も信頼度が高い最上級の「AAA」から「AAプラス」に1段階引き下げた。
3大格付会社の一つであるフィッチ・レーティングスは、過去20年間にアメリカのガバナンスの「着実な低下」がみられたと指摘している。
同社は声明で、「アメリカの(国債格付けの)格下げは、今後3年間に予想される財政の悪化や、高水準で拡大しつつある一般政府債務負担、(他国との比較における)ガバナンスの低下を反映している」と説明した。
国債格付けは投資家たちにとって、政府に資金を貸すことにどれくらいのリスクがあるのかを判断する基準となっている。経済規模が大きく、経済が比較的安定しているアメリカは通常、安全性の高い投資先と考えられている。
しかし、同国では今年もまた、政府借入金をめぐって政治的な際どい攻防が繰り広げられた。
米政府は6月、政府の債務上限の適用を一時的に停止。国債など債務31兆4000億ドルに対する支払い資金が枯渇(こかつ)して債務不履行に陥る状況を回避した。
フィッチ・レーティングスは、「2025年1月まで債務上限を停止するという6月の超党派の合意にもかかわらず、財政や債務問題を含め、過去20年間でガバナンスの水準が着実に低下しているというのが、当社の見解だ」としている。
格下げは「恣意的」
ジャネット・イエレン米財務長官は、格下げは「恣意(しい)的」で、2018年から2020年までの「古いデータ」に基づくものだと主張した。
そして、フィッチ・レーティングスの決定には「強く」反対すると述べた。
「財務省の証券は依然として、世界有数の安全かつ流動性のある資産であり(中略)米経済は基本的に堅調だ」
エコノミストの反応
今回の格下げのタイミングと根拠は、多くのエコノミストを驚かせた。
ローレンス・サマーズ元米財務長官は、フィッチ・レーティングスの決定は「奇妙かつ的外れ」だと指摘。米経済は「予想より堅調に見える」との見解を示した。
金融サービス会社アリアンツで主席経済顧問を務めるモハメド・エル・エリアン氏は、フィッチ・レーティングスの発表は「奇妙な動き」だと述べた。
「この発表は、米経済と市場に永続的な破壊的影響を与えるというよりも、一蹴される可能性の方が高い」と、同氏は投稿した。
フィッチ・レーティングスは、アメリカは今年後半に穏やかなリセッション(景気後退)に陥るとの見通しも示した。
しかし、ノーベル経済学賞を受賞したエコノミスト、ポール・クルーグマン氏は「この1年で最大の経済ニュースは、アメリカがリセッションに陥ることなくインフレを抑えることに成功したことだ」との意見を表明した。
格下げのタイミングを疑問視する声は、バラク・オバマ政権で経済諮問委員会委員長を務めたジェイソン・ファーマン氏らからも上がっている。ファーマン氏は、「まったくばかげている」と述べた。
格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は、アメリカが債務上限をめぐり同様の問題を抱えていた2011年に、すでに米国債格付けを最上級の「AAA」から「AAプラス」に1段階引き下げている。米国債が最上級の格付けを失うのは史上初のことだった。









