潜水艇の捜索、海中の音を感知 酸素残量20時間切る

Published

大西洋で沈没した豪華客船「タイタニック」の残骸を見学しに潜水中、行方不明になった潜水艇の捜索で、米沿岸警備隊は21日、海中の音が複数回感知されたと明らかにした。ただ、潜水艇は発見されておらず、酸素の残りは1日分を切ったとみられている。

米沿岸警備隊のジェイミー・フレドリック大佐によると、カナダの捜索機が20日と21日に海中の音を感知した。音が何なのかは不明で、米海軍が分析に協力しているという。

潜水艇「タイタン」の捜索は、範囲を約2万6000平方キロメートル(米コネチカット州の2倍の広さ)に広げている。21日は船5隻が捜索に当たった。

22日にはさらに船5隻と、海中で遠隔操作で動く機器2機が捜索に加わる予定。音が感知された海域を重点的に捜索するとともに、当初から捜索していた海域でも改めて捜索するという。

米沿岸警備隊のジョン・モーガー少将は21日、潜水艇の酸素の残りは20時間分を切った可能性があるとBBCに説明。

「酸素の残量を予測するのは難しい。潜水艇で乗員1人当たりの消費率がわからないからだ」と話した。

<関連記事>

元米海軍原子力潜水艦司令官のデイヴィッド・マーケさんは、感知された音は、タイタンからのものではないかもしれないとの見方をBBCに示した。

「この音は潜水艇からのものだとは思わない。ただの自然の音の可能性がある。音が聞こえ、さらに多くの船がこの海域に入ると、さらに音が聞こえた。これは偶然だとは思わない」

酸素が減るとどうなるのか

タイタンには、イギリス人実業家ヘイミッシュ・ハーディングさん、イギリス系パキスタン人実業家シャザダ・ダウッドさん、その息子のスレマン・ダウッドさん、元フランス海軍潜水士ダイバーのポール=アンリ・ナルジョレさん、タイタンを運航する「オーシャンゲート」最高経営責任者(CEO)のストックトン・ラッシュさんの5人が乗船している

タイタニックの深海探索にかつて参加したことがあり、行方不明の潜水艇の中にいる何人かを知っているというオイシン・ファニングさんは、乗客は事前に厳しい訓練を受けているはずだとし、「すぐに酸素の節約に努めるだろう」とBBCに話した。

カナダ・ニューファンドランド島のセントジョンズにあるメモリアル大学のオフショア遠隔医療センターのディレクターで、高圧医学の専門家のケネス・ルデズ博士は、酸素が減っても、体力や潜水艇の状況によっては、船内の人々が生き延びる可能性はあるとBBCに語った。

内部の状況は正確には分からないが、乗客らは二酸化炭素濃度の上昇と寒さ、酸素濃度の低下に対処することになるだろうと、ルデズ博士は説明。これらの要因が重なると、低体温症や意識喪失を引き起こす可能性があるとした。

ただ、これらの状態は必ずしも致命的ではなく、寒さで代謝が落ちることでより長い時間、生き延びる可能性があると、同博士は話した。

「乗っているのはとても賢く(中略)とても熟練した人々だ」、「生き残れるとしたら(中略)それはこの人たちだ」。