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米元警官、13人殺害を認める 裁判で司法取引
米カリフォルニア州で13件の殺人罪などに問われたジョセフ・ディアンジェロ被告(74)の裁判が29日あり、同被告はすべての罪状を認めた。死刑を回避するため、検察との司法取引に応じた。
1970~1980年代にカリフォルニア州で警察官だったディアンジェロ被告は、2018年4月に逮捕された。ヴェトナム戦争に従軍し、自動車整備士として勤めたこともあった。
同被告はカリフォルニア州の別称にちなみ、「ゴールデン・ステート・キラー」と呼ばれている。
この日、同州サクラメントであった公判は、被害者家族の席と社会的距離を確保するため、州立大学の2000人収容の講堂で開かれた。
ディアンジェロ被告は車いすに座って法廷に現れ、法廷内ではつえを使用した。新型コロナウイルス対策のため、同被告と弁護士はプラスチック製の覆いを顔に着けた。
ディアンジェロ被告はすべての罪状について「有罪」と答えた。また、起訴されていない事案についても「認める」と発言。多数の強姦や強盗などについて犯行を認めた。
検察はすべての犯行が34~45年前になされたとし、地理的範囲の広さは「驚くばかりだ」と述べた。
「彼にやらされた」
サクラメント郡検察のティエン・ホ検事は、ディアンジェロ被告について、逮捕後に取調室で1人になったとき、自身の中にいると思われる誰かに語り始めたと述べた。
同被告は、「彼を追い出す強さがなかった。彼にやらされた。彼は私について来た。まるで頭の中にいるようで、私の一部だった」と話したという。
また、「あんなことはしたくなかった。ジェリーを追いやって楽しい人生を送った。私が全部やった。あの人たちの命を奪った。だから代償を払わなくてならない」などとも発言したという。
検察は、ディアンジェロ被告が以前、万引きをしたとして解雇された後に心臓発作のふりをしたことがあったとし、こうした言動は信用できないとの見方も示している。
尾行してDNA採取
ディアンジェロ被告は8月にある第2回公判で、終身刑が言い渡される見通し。この公判では、被害者側が声明を読み上げることが認められる。
刑の言い渡しにより、1970年代から世界の注目を集めてきた事件は終結を迎える。
犯行現場はカリフォルニア州全域にわたっており、捜査員は当初、同一犯による犯罪だとは考えなかった。
捜査員は1800年代までさかのぼる家系図を作成し、ディアンジェロ被告を容疑者として特定した。同被告を尾行し、投げ捨てたごみを回収してDNAを採取。いくつかの犯行現場に残されていたものと一致した。
ディアンジェロ被告は逮捕以来、サクラメントの刑務所の独房で勾留されている。
事件の概要
事件は1976~86年にかけて起き、12~41歳の女性が被害者となった。
強姦・殺人事件の犯人には、「ゴールデン・ステート・キラー」のほか、「東地区の強姦犯」、「元祖夜のストーカー」、「ダイヤモンド・ノット・キラー」などの呼び名がつけられた。
検察が「恐怖の支配」と呼ぶ連続犯罪は、サクラメントで始まり、その後サンフランシスコや州の中部や南部にも拡大。警察によると、それぞれの事件の関連性はDNA鑑定で明らかになった。
犯人は夜、家に侵入して住人を縛り上げ、女性を強姦。現金や宝石、身分証明書などを奪って逃走した。
「ゴールデン・ステート・キラー」が犯人とされる一連の事件は、オレンジ郡アーバインで1986年に起きた、当時18歳だった女性の強姦・殺害を最後に途絶えていた。