イギリスで中国情報機関のためスパイ活動、2被告に禁錮刑

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ロンドンの中央刑事裁判所は18日、イギリス在住の香港民主活動家に対するスパイ活動を中国のために行ったとして、英国境警備当局の職員とその「指示役」にそれぞれ禁錮刑を言い渡した。

英国境警備当局職員だった衛志樑(チー・レオン・「ピーター」・ワイ)被告(40)と、元香港警察官の袁松彪(チュン・ビウ・「ビル」・ユエン)被告(65)は、外国の情報機関に協力した罪に問われ、先月、英国家安全保障法違反で有罪評決を受けた。ワイ被告は、公務上の不正行為の罪でも有罪とされた。両被告は中国とイギリスの二重国籍をもつ。

中央刑事裁判所での量刑言い渡しでは、ワイ被告に禁錮計10年、ユエン被告に禁錮8年の刑がそれぞれ告げられた。チーマ=グラブ判事は、両被告の行為を「国家の主権を脅かす」ものだとした。

捜査員たちは両被告の行為を、「香港当局、さらには中国政府に代わって行われた『影の警察活動』」だとしていた。

判決などによると、ワイ被告はイギリスの元警察官で、2020年12月にロンドン・ヒースロー空港で国境警備当局の職員として働き始めた。外部からの求めに応じ、職権を利用して、英在住外国人に関する内務省の膨大な情報データベースにアクセスした。

ユエン被告は、香港で警官として働いた後、ロンドンの香港経済貿易代表部で事務長を務めた。また、ワイ被告と中国当局との連絡役となった。

ロンドン警視庁の対テロ責任者ヘレン・フラナガン警視長は、今回の捜査によって、イギリスでこの種の活動が決して容認されないことが示されたとする声明を発表。「外国政府のために活動している者に対しては、私たち対テロ警察が関係機関と連携して正体を突き止め、国家安全保障法の全権限を行使して対処すると、はっきり伝えておく」とした。

アンジェラ・イーグル治安担当閣外相は、政府として「引き続き中国に説明責任を求め、私たちの国の人々の安全を脅かすあらゆる行為に対して措置を取っていく」と表明。対象となる行為には、香港警察による逮捕状や懸賞金の利用も含まれるとした。

一方、香港政府の報道官は、「当該の有罪評決は根拠のない主張と中傷に基づくもの」だと主張。イギリス当局が「根拠のない告発」に基づいて本件を提起したと非難し、「有罪評決を得るために法を乱用し、司法手続きを操作した」とした。

報道官はまた、この事件の疑惑と、香港政府やロンドンの香港経済貿易代表部は無関係だとし、今後も非難に対して反論し続けると述べた。

この日の量刑言い渡しは、香港出身の民主活動家数人が法廷で傍聴した。その中には、香港当局から100万香港ドル(約2000万円)の懸賞金がかけられている活動家も1人いた。

裁判では、ワイ被告が、英国境警備当局における同僚で、元英海兵隊員のマシュー・トリケット元被告(故人)を、香港の反体制派に対する監視活動に引き入れ協力させたとされた。

トリケット元被告は2023年11月、100万香港ドルの懸賞金がかけられていた香港出身の著名活動家、羅冠聰(ネイサン・ロー)氏、著名弁論団体オックスフォード・ユニオンで講演する際に尾行するよう、ワイ被告から指示されたという。

トリケット元被告は、ワイ被告、ユエン被告と共に国家安全保障法違反の罪で起訴された直後、遺体で発見された。自殺とみられている。

ワイ被告とユエン被告は、ウェスト・ヨークシャー州ポンテフラクトに住む香港出身者の自宅に侵入し、外国による干渉を実行した罪にも問われた。この人物は、詐欺の容疑者とされる。陪審団はこの罪状については、評決に達することができなかった。