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ウクライナ、モスクワに最大規模の攻撃で製油所直撃 地面や服に黒い染みと住民
ウクライナは18日にかけ、ロシアの首都モスクワに向けてドローン200機近くを発射した。一部は首都近郊の石油精製所を直撃し、モスクワの一部地域で黒い油の粒が降り注いだ。ウクライナによる攻撃としては、ロシアと全面戦争となって以降で最大のものとなった。
ロシア国防省からとされる情報によると、同国各地で24時間以内にウクライナのドローン計約1000機と巡航ミサイル計4発が迎撃・撃破された。南部ロストフ州の石油貯蔵施設への攻撃では1人が殺されたという。
この攻撃で、モスクワ南東部のカポトニャ石油精製所では爆発と火災が発生し、上空が煙で真っ黒になった。当時の動画には、巨大な爆発によって大型石油貯蔵タンクの屋根が吹き飛ばされ、空中に数十メートル舞い上がる瞬間が映っている。この石油精製所が攻撃されたのは、ここ1カ月で3回目、今週に入って2回目だった。
モスクワ近郊のショッピングセンターでも火災が発生した。ドローンの破片が建物に落下したことが原因とされている。BBCが検証した動画では、高層の建物の上層部にドローンが激突し、ガラスや破片が中庭へと降り注ぐ様子が確認できる。
モスクワの空には濃い煙の柱が高く立ち上った。モスクワ州のアンドレイ・ヴォロビョフ知事は、州内で17人が負傷したとした。
同州南東部で撮影された検証済みの動画では、駐車場の舗装面が濃く暗い油膜で覆われているのが確認できる。車両の下の地面には油膜はついていない。
現地の女性は、「自宅のある集合住宅から外に出ると、細かい霧雨のようなものが降っていた」とBBCに話した。着ていた服に「不快な黒い斑点」が付き、友人の上着も「黒い斑点で覆われてしまった」という。「石油製品の影響で髪が抜け始めないか、注意していく」と、この女性は述べた。
一方、モスクワ当局は、「油の雨」が降った事実はないとしている。
ただ、モスクワ市の公式テレグラムチャンネルは、攻撃の影響を受けた地域の住民に対し、窓を閉めておくよう呼びかけた。子連れの家族や高齢者、ぜんそく患者らはには、直ちに避難すべきだとした。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、このドローン攻撃について、ロシアによる先週のキーウ攻撃への報復だと説明した。同市への攻撃では、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されているペチェールシク大修道院で火災が発生した。
ゼレンスキー氏は、「私たちはこの戦争を望んでいないし、これまで一度として望んだことはない」、「だが、もしウクライナが燃えれば、あなた方の街モスクワも燃える」と述べた。
これを受け、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は、ウクライナに対して「大規模」な攻撃が実施されると発言。「以前から、言葉だけでは不十分だと確信していた」と付け加えた。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、今回のモスクワへの大規模攻撃についてコメントしていない。プーチン氏は現在、ロシア中部カザンで東南アジア諸国の首脳を招き、サミット(首脳会議)を主催している。
この攻撃で、モスクワの四つの空港は一時閉鎖され、500便以上が欠航または遅延となった。
ロシア各地の地方当局は、ドローン攻撃後の被害状況がわかる画像の公開を禁止している。だがソーシャルメディアには、ドローンが白昼に空を飛ぶ様子や、モスクワ郊外の工業地帯で爆発が起こる様子などの動画が数十本、投稿された。
多数の偵察用おとりドローンを発射し、防空網の手厚い場所やぜい弱な場所を把握してから、本格的な空爆を実施するのは、ウクライナがよく使う戦術となっている。
モスクワがウクライナに対する全面侵攻を開始して4年半が経過した。ウクライナの最前線では消耗戦が続いているが、ロシア国内の多くの人にはその様子は見えていない。
モスクワ、サンクトペテルブルクをはじめとするロシア各地にウクライナが実施している長距離攻撃は、ロシアの一般国民に「戦争を身近に感じさせる」ことを、ゼレンスキー氏が狙っていることを示す。
今回の攻撃があった石油精製所の近くに住む男性は、夜明けに建物が「揺れ」始めて目を覚まし、朝になると焦げ臭さで息ができなかったとBBCに話した。また、「すべてがとても恐ろしい」、「以前はそれほど怖くなかったが、今はほとんどパニック状態だ」と言った。
ウクライナは長距離攻撃能力を高めており、国境から約500キロ離れたモスクワへのドローン攻撃が増えている。
ロシアは、モスクワが最初にドローン攻撃された2023年春以降、同市周辺に大規模な防空体制を構築してきた。だが、今回のドローンによる集中攻撃で、モスクワの重要インフラの防衛システムは有効性が疑われることになる。
一方、ロシアも17日夜から18日にかけて、ウクライナに向けてドローン200機以上と弾道ミサイル複数発を発射した。ウクライナ当局が発表した。