アゼルバイジャンとアルメニア、和平に関する合意文書に署名 トランプ氏が仲介

米ホワイトハウスで、アゼルバイジャンのアリエフ大統領とアルメニアのパシニャン大統領が笑顔で握手している。両大統領の間に座るアメリカのトランプ大統領が笑顔で、握手する2人の手に両手を添えている

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画像説明, アメリカのトランプ大統領は8日、アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領(左)とアルメニアのニコル・パシニャン大統領(右)をホワイトハウスに招き、和平に関する合意文書の署名を仲介した
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アリ・アッバス・アフマディ、サクシ・ヴェンカトラマン(BBCニュース)、グリゴール・アタネシアン(BBCニュース・ロシア語)

アゼルバイジャンとアルメニアの両大統領は8日、米ホワイトハウスで、ドナルド・トランプ米大統領の仲介のもと、数十年にわたる紛争を終わらせるための、和平に関する合意文書に署名した。「歴史的」な出来事だと、トランプ氏は述べた。

合意文書に署名したアゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領とアルメニアのニコル・パシニャン大統領は、笑顔で握手を交わした。

トランプ氏は、「やっとこの時が来た」と述べた。この合意により、アゼルバイジャンとアルメニア間の主要な輸送路の一部が再開され、同地域におけるアメリカの影響力が増すことになる。

アゼルバイジャンとアルメニアは、アゼルバイジャン西部に位置する、アルメニア系住民が多く住むナゴルノ・カラバフの領有権めぐり、1980年代から1990年代にかけて戦闘を繰り広げ、その後も暴力行為が激化してきた。

トランプ氏は、両国が「永久に」全ての戦闘を停止し、渡航やビジネス、外交関係を再開することを約束したと述べた。

アゼルバイジャンのアリエフ大統領は、「我々は今日、コーカサス地方における平和を築いている」と述べた。「戦闘や占領、流血にとらわれて、長い年月を失った」。

アルメニアのパシニャン首相は、文書への署名は両国関係における「重要な節目だと述べた。

「35年間戦ってきた両国が、今や友人となり、今後も長く友人であり続けるだろう」とトランプ氏は述べた。

影響力強めるアメリカ、存在感弱まるロシア

ホワイトハウスによると、合意の一環として、アメリカは「国際平和と繁栄のためのトランプ・ルート」という名の主要な交通回廊の建設を支援するという。

このルートは、アルメニア領によって分断されているアゼルバイジャン本土とアゼルバイジャンの飛び地領ナヒチェヴァン自治共和国を結ぶ。アリエフ氏は過去に、ナヒチェヴァン自治共和国へ続く鉄道回廊の管理権を譲渡するようアルメニアに求めていた。

アルメニアはこれまで、この回廊の管理権を掌握しようとしてきた。これに対しアリエフ氏は、武力によって回廊を奪うと脅したこともある。この問題が、両国の和平交渉の中断や停滞につながっていた。

アリエフ氏とパシニャン氏は今回の会談を通して、トランプ氏と政権スタッフを称賛した。「トランプ大統領は(就任から)6カ月で奇跡を成し遂げた」とアリエフ氏は述べた。

トランプ氏は、エネルギーと技術をめぐる貿易の拡大を目的とした2国間協定を、それぞれの国と結んだとも述べた。

トランプ氏は2期目の就任以来、複数の紛争当事国の間で和平合意を実現しようとしてきた。

8日の会談は、アメリカがこの地域でロシアに代わって影響力を拡大していることも示している。同地域では1世紀以上にわたり、クレムリン(ロシア大統領府)が権力と和平の仲介役を担ってきた。

アゼルバイジャンとアルメニアの紛争をめぐっては、主要な仲介役として最近まで動いていたのがロシアのウラジーミル・プーチン大統領だった。アリエフ氏とパシニャン氏が署名した直近の合意文書は、プーチン氏が作成した。

しかし今回、トランプ氏が両国をまとめたことで、プーチン氏はほぼ、わきに追いやられてしまった。ロシア政府は和平交渉に自国の利益を組み込もうとしてきたが、アゼルバイジャンもアルメニアもそうした提案を退け、アメリカが提案した解決策を選んだ。