アザラシの赤ちゃん1万頭以上が鳥インフルエンザで死ぬ、豪離島で 研究報告

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オーストラリア領の南極の離島で、ミナミゾウアザラシの幼獣1万頭以上が鳥インフルエンザにより死んだ。オーストラリアの研究者らによる最新研究で明らかになった。

オーストラリアの南西約4000キロに位置するハード島とマクドナルド諸島には、100万羽以上の繁殖期の海鳥やアザラシが生息している。

昨年10月と今年1月のデータをもとにした研究チームの推定では、ハード島に生息していたゾウアザラシの幼獣1万7364頭のうち、75%以上に相当する1万3359頭がH5N1型鳥インフルエンザによって昨年8月以降に死んだとみられる。

ペンギンについても、予想を上回る数の個体が死んだとみられるという。

H5N1型鳥インフルエンザは、世界中の鳥類の間で感染が広がり、一部の哺乳類にも影響を及ぼしている。そうしたなか、オーストラリアは感染例が確認されていない唯一の大陸となっている。

この最新の研究論文は、科学誌「BioRxiv」に掲載された。まだ査読は受けていない。ドローンによる調査と、アクセスが困難な島々への現地調査に基づくもので、科学者らは現地調査で生き物9種からサンプルを採取した。

そのうち、ミナミゾウアザラシ、キングペンギン、ジェンツーペンギン、ナンキョクオットセイ、ミナミモグリウミツバメなど6種で、H5N1型ウイルスの陽性が確認されたという。

渡り鳥によって持ち込まれたか

科学者らは昨年後半、現地の島々の近くを調査航海中に死んだアザラシの赤ちゃんを何百頭も発見。以来、鳥インフルエンザの影響について警戒を強めていた。

今年1月の追加調査では、鳥インフルエンザが主にミナミゾウアザラシの幼獣の個体群に打撃を与え、キングペンギンやジェンツーペンギンへの影響は比較的小さかったことが確認されたという。

研究者らは、最終調査時点でもアザラシの幼獣が次々と死んでいたため、当時の75%以上という死亡率は過小かもしれないとしている。地域によっては、アザラシの幼獣の97%が死んだという。

一方、キングペンギンについても、数百羽の成体が死んだことがデータから明らかになった。これは個体群に占める割合としては低いものの、通常のレベルを上回っているという。

論文の筆頭著者の野生生物学者ジュリー・マキネス博士は、「ハード島とマクドナルド諸島におけるH5型鳥インフルエンザの観測結果は、オーストラリアの海外領土で初めて確認されたもので、亜南極地域においてこのウイルスが東へ移動し続けていることを示している」と述べた。

また、「私たちの調査結果は、ゾウアザラシが最も深刻な被害を受けたサウスジョージア島など、他の亜南極諸島での結果と同様のパターンを示している」とした。

オーストラリアのマリー・ワット環境相は、アザラシの死について、「深刻な事態」であり、このウイルス株が本土に入り込む可能性に備え、油断してはならないことを示していると述べた。

科学者らは、鳥インフルエンザが昨年8月、約1800キロ離れたフランス領クローゼー諸島からの渡り鳥によって、オーストラリア領の島々に持ち込まれた可能性が高いとみている。