アリーサ・フランクリンさん、死後発見の手書き文書は「遺言として有効」 米陪審

Aretha Franklin performs at Radio City Music Hall on February 17, 2012

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画像説明, アリーサ・フランクリンさん(2012年撮影)
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2018年に死去した世界的ソウル歌手、アリーサ・フランクリンさんの自宅で見つかった文書について、米ミシガン州ポンティアック市の陪審団は11日、フランクリンさんの数百万ドル相当の遺産をめぐる有効な遺言であると判断した。

(編集部注・ 日本では「アレサ・フランクリン」と多く表記されますが、BBC Japanではアメリカでの発音に近い「アリーサ・フランクリン」と表記します)

2日間にわたる審理では、フランクリンさんの子どもたちが、二つの手書きの文書をめぐり争った。

フランクリンさんの息子のうち2人は、弁護士を通し、異父弟のテッド・ホワイトさんが「自分たちから相続権を奪おうとしている」と主張した。

11日の評決は、審理開始から1時間足らずで出され、約5年にわたる遺族間の法廷闘争に終止符が打たれた。

手書きの文書

フランクリンさんは2018年8月に膵臓(すいぞう)がんのため亡くなった。600万ドル相当の不動産や、現金、音楽著作権などに関する遺言書は用意されていなかったと、広く考えられていた。

しかし9カ月後、当時、遺産管理人だっためいのサブリナ・オーウェンズさんが、デトロイトのフランクリンさんの自宅で、二つの異なる手書きの文書を見つけた。

そのうちの一つは2010年6月に書かれたもので、レコード契約書やそのほかの書類と一緒に、鍵のかかった机の引き出しの中に入っていた。

2014年3月に書かれたもう一つの文書は、リビングに置かれたソファーのクッションの下にあったノートの中から見つかった。

A copy of the first page of the 2014 document ruled to be Aretha Franklin's will

画像提供, Oakland County Probate Court

画像説明, 2014年に書かれた文書には、「健全な精神状態にあるため、私は自分の遺言と証言を書き記す」とある。画像は同文書の最初のページのコピー

6人の陪審員は、2014年に書かれた文書について、有効な遺言書かどうかを判断することとなった。

争点となったのは、フランクリンさんの4人の子どもたちの相続内容をめぐる、二つの文書の相違だった。

遺言書として有効と判断された2014年の文書では、3人の息子が音楽のロイヤルティー(著作権)と銀行資金を均等に分け合い、末っ子のケカーフさんとその子どもたちはフランクリンさんの本宅である、120万ドル相当のゲート付きの邸宅を相続することになっている。

一方、2010年に書かれた文書では、フランクリンさんの遺産がより均等に分配される内容になっている。ただ、末っ子のケカーフさんと次男エドワードさんに対し、遺産を相続するには「学校でビジネスを学び、資格や学位を取得する」よう求めている。

兄弟の主張

ケカーフさんとエドワードさんは、2014年の文書によって、もう一方の文書の内容は失効すると主張したが、異父弟の三男テッドさんは効力は失われないとした。

証人台に立ったケカーフさんは、母親はよくソファに座って用事を済ませていたとし、遺言書がそこにあったとしても「奇妙だとは思わない」と述べた。

11日の最終弁論で、ケカーフさん代理人のチャールズ・マケルヴィー弁護士は、ノート発見の状況は「重要ではない」と主張。

「遺言書をキッチンカウンターに置くことがあってもいい」、「遺言であることに変わりはない」と述べた。

エドワードさん代理人のクレイグ・スミス弁護士は、2014年の文書の最初の一文に、「健全な精神状態にあるため、私は自分の遺言と証言を書き記す」と書かれていると強調。フランクリンさんが「墓場から語りかけている」と訴えた。

そのうえで同弁護士は、「(三男の)テディーが兄弟2人から相続権を奪おうとしている」、「テディーはすべてを欲しがっている」と主張した。

フランクリンさんのツアー・ギタリストだったテッドさんは、母親なら「手書き」ではなく「慣例となっている方法で合法的に」遺言書を書いただろうと、法廷で述べた。

テッドさん代理人のカート・オルソン弁護士は、2010年の文書はクッションの下ではなく、鍵がかかった場所で見つかったと違いを強調。

「彼らはテッドを悪者にしようとしている」と述べた。

Aretha and Kecalf Franklin at her 72nd birthday in 2014

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画像説明, 四男のケカーフさん(右)は、母親のアリーサ・フランクリンさん(中)はよくソファに座って用事を済ませていたため、遺言書がそこにあったとしても「奇妙だとは思わない」とした。画像は2014年撮影

長男のクラレンスさんは、後見人のもとで、福祉施設で暮らしており、この争いには関与していない。

クラレンスさんは、弟たちと後見人との間で成立した裁判前の合意に基づいた割合(非公開)の遺産を受け取ることになる。

フランクリンさんが亡くなった当初、資産は8000万ドルとされていたが、最近の評価と、数年間税金が未払いだったことで、その額は大幅に減少した。

フランクリンさんの現在の個人代理人のニコラス・パパシファキスさんは以前、裁判所の決定に従ってフランクリンさんの資産を分配すると述べていた。

評決を受け、ケカーフさんは「とても、とてもうれしい。母の遺志をただ忠実に実行したかった。いまはただ、息をつきたい。私の家族と子どもたちにとって、長い5年間だった」と述べた。

法廷ではテッドさんと言葉を交わす場面は見られなかったが、ケカーフさんはこう付け加えた。「兄を心から愛している」。