ハンガリー国会、憲法改正でオルバン氏の首相復帰を阻止 在任期間を8年に制限

国会で演説するマジャル氏。青色のスーツを着ている

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画像説明, ハンガリーのマジャル・ペーテル首相は、汚職対策などを打ち出して今年4月の総選挙で自らの政党を勝利に導いた
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ポール・カービー欧州デジタル編集長

ハンガリー国会(一院制、定数199)は16日、首相の在任期間を8年に制限する憲法改正案を可決した。この改正は、前首相のオルバン・ヴィクトル氏が再び首相になることを防ぐとした、マジャル・ペーテル首相の公約を実現するものだ。

オルバン氏は16年間にわたり、途切れることなくハンガリーを率いてきたが、4月の総選挙で、マジャル氏率いる中道右派の政党「ティサ(尊重と自由)」が勝利。憲法改正に必要な全体の3分の2の議席を獲得した。

この改正により、1990年以降のいかなる首相も、たとえ任期と任期の間が空いていても、2期を超えて在職することはできなくなった。

オルバン氏率いる野党「フィデス・ハンガリー市民連盟」は改正案に反対票を投じた。同党の党首に再選されたばかりのオルバン氏は、同案を激しく批判した。

「オルバン法がたった今可決された。これが最も差し迫った課題だった。もし私が必要とされるなら、私はここにいる」と、同氏はフェイスブックに書き込んだ。

オルバン氏はまた、マジャル政権はまだ発足から1カ月にすぎないと不満を示し、将来の「8年」を夢見るべきではないと訴えた。

ティサが国会で「スーパー・マジョリティー(特別多数)」を握っていることから、改正案は135対50で容易に可決され、発効に向けてシュヨク・タマーシュ大統領の署名を残すのみとなっている。

オルバン氏の政治担当ディレクターを務めていたオルバン・バラージュ議員は、マジャル氏が「民主的競争から政治的対立相手を排除するために政治権力を利用している」と非難した。

スーツ姿のオルバン・バラージュ氏が、議場の席でニヤリと笑いながら、両手の指で前方に合図を送っている

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画像説明, オルバン前首相の側近だったオルバン・バラージュ議員(16日、ブダペスト)

同国憲法に当たる「ハンガリー基本法」に対する今回の改正は、理論上は将来、特別多数を得た政権によって変更される可能性がある。一方で、マジャル氏が連続で首相を務められる期間が2034年までに限られることも意味する。

マジャル氏は先月、フィデス政権が16年にわたって整備した、激しい論争を呼んできた国家機構の一部廃止を公約を掲げ、首相に就任した。

反腐敗団体トランスペアレンシー・インターナショナルは2年連続で、ハンガリーを欧州連合(EU)で最も腐敗した国だと評価している。EUはこれまで、法の支配や汚職、民主主義の後退への懸念を理由に、同国に対する数十億ユーロ規模の補助金を凍結してきた。

欧州委員会は先月、汚職対策の一連の改革を条件として、ハンガリー政府に対する総額164億ユーロ(約3兆円)の補助金の凍結を解除すると発表した。反汚職政策は今後、ハンガリー国会の承認を得る必要がある。

改正ではほかにも、ハンガリーの「憲法的アイデンティティー」を保護する独立機関の設置義務が撤廃された。

オルバン氏は2023年、「利害関係のある外国」による「不当な政治的干渉」を監視する主権保護局を設置したが、今回の改正により解体されることになる。

また、前政権下で企業や教育機関といった国家資産の移転を通じて設立された「公益資産管理財団」にも手が加えられた。

マジャル政権は、これらの資産を国家に戻すか、あるいは「マティアス・コルヴィヌス・コレギウム(MCC)」のような機関への資金供給を削減する意向だ。私立高等教育機関のMCCはフィデスと密接な関係を持ち、その理事会は、前首相の政治ディレクターであるオルバン・バラージュ氏が率いている。

ハンガリー国会はこの日、凍結されているEU補助金の解除に必要な、さらなる法改正の審議に移った。これには、反汚職機関「インテグリティー・オーソリティー」の役割強化が含まれている。

審議中、オルバン・バラージュ氏は、マジャル氏が数千人の学生の将来を不確かなものにする改革を強行したと非難し、首相と衝突した。

これに対しマジャル氏は、1956年のハンガリー革命から70年を迎える今年10月、ハンガリーの人々は「自由世界」の一員となるために歴史の新たな1ページを開いたことを祝うだろうと述べた。