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米政府、中国高官らのビザ発給を制限 ウイグル人弾圧めぐり
アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は8日、中国政府がウイグル人などのイスラム教徒の少数民族に対して「非常に抑圧的な活動」を行っているとして、弾圧に関与したとされる中国高官らのビザの発給を制限すると発表した。
ポンペオ国務長官は声明で、中国政府がウイグル人やカザフ族、キルギス族やそのほかのイスラム教徒の少数民族に対し、一連の虐待行為をしていると非難。
「大規模な拘束や、ハイテク監視技術の蔓延(まんえん)、文化表現や宗教的アイデンティティに対する厳格な取締りや、海外へ渡航した人物に対して帰国を強制する」などといった「非常に抑圧的な活動」を行っていると主張している。
また、帰国を強いられた者には、「中国で危険な運命が待ち受けていることがよくある」とも述べた。
「人権問題は何もない」
一方の中国側は、根拠がないとしてこうした弾圧を否定している。
中国外務省の耿爽報道官は7日、「アメリカが主張する、いわゆる『人権問題』とされるような事実は何もない」と述べた。
「こうした非難は、中国の内政問題に意図的に干渉するためのアメリカ側の言い訳に過ぎない」
米政府は、ビザ発給制限の発表前日の7日にも、新疆ウイグル自治区でのウイグル人弾圧をめぐり、28の中国政府機関や企業への禁輸措置を発表したばかり。
ビザ発給制限
ビザの発給制限の対象となるのは、中国政府高官や共産党幹部とその家族。
ポンペオ氏の声明は、「アメリカは中華人民共和国に対し、新疆での弾圧行為をただちに停止し、恣意(しい)的に拘束したすべての人を解放し、中国国外に住むイスラム教の少数民族に対して、どういう運命が待ち受けているかわからない中国への帰国を強制しようとするのをやめるよう求める」としている。
現在、貿易戦争の渦中にあるアメリカと中国は、10日にワシントンで閣僚級の貿易協議を行う予定。
新疆で何が
中国政府は近年、新疆で大規模な治安対策行っている。
複数の人権団体や国連は、中国が最大100万人のウイグル人や、ほかのイスラム教徒を収容していると主張している。収容所では、イスラム教の棄教や北京語の使用を強いられ、共産主義政権への服従を教え込まれる。
しかし、中国政府は、新疆のウイグル人は過激主義に対抗するために設けられた「職業訓練所」に通っていると説明。仕事を与え、中国社会に溶け込む支援をしていると主張している。
中国政府の新疆における行為に対しては、アメリカなどの国々から非難の声が高まっている。
ロイター通信によると、ポンペオ米国務長官は2日、中国は「国民に対して、神ではなく政府を崇拝するよう要求している」と非難した。
ウイグル人とは
ウイグル人は、民族的にはチュルク系のイスラム教徒。主に新疆ウイグル自治区に居住しており、同地域の人口の45%を占める。その40%は漢民族。
1949年に毛沢東が中華人民共和国の建国を宣言。かつて新疆に存在した東トルキスタン共和国への侵攻の末、中国は同地域を再び支配した。
ここ数十年、中国で多数派の漢民族が多数、新疆に移住しており、ウイグル人は自分たちの文化や生活が脅威に直面していると感じている。
新疆は正式には、南側のチベット同様、中国内の自治区に指定されている。