イタリア首相、トランプ氏が自分について「でまかせ」と反発 単発的な口論ではなく

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ポール・カービー欧州デジタル編集長、ダヴィデ・ギリオーネ記者(ローマ)、ジェイムズ・ランデイル外交担当編集委員
イタリアのジョルジャ・メローニ首相は19日、ドナルド・トランプ米大統領がイタリアのテレビ局に対し、メローニ首相が自分との写真撮影を「懇願した」と発言したことについて、まったくの「でまかせ」だと反発し、「私もイタリアも、決して懇願などしない」と述べた。アントニオ・タヤーニ外相は同日、週明けに予定していたアメリカ訪問を急きょ中止した。
トランプ氏とメローニ氏の両首脳はかつて、緊密な関係にあると見られていた。今回のいさかいが表立った形で展開していることから、トランプ氏が対イラン戦争の開始を決めて以来、両者の関係がいかに損なわれているがうかがえる。
今月15日から17日にかけてフランス東部のエヴィアン・レ・バンで開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、トランプ大統領とメローニ首相は親しそうな様子で会話していた。首相はその後、記者団に対し、両国の関係は変わりなく、「お互いを非難し合ったりしていない」と述べていた。
しかし、トランプ氏はその後、イタリアのテレビ局La7との電話インタビューで、「彼女は私に、一緒に写真を撮ってほしいと懇願した。彼女がかわいそうになった」のだと発言した。
両首脳はエヴィアンで一緒にいるところを、何度か撮影されていた。小さなソファで並んで座り、話し込んでいる様子も映っていた。その場でメローニ氏は、笑顔で話していた。

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トランプ氏は、「私が話しかけたのを、たぶん彼女は喜んでいるはずだ」とも述べた。テレビ局La7はトランプ氏の英語発言をそのまま放送せず、イタリア語に吹き替えた。
これについてメローニ首相はインスタグラムで、約700万人のフォロワーに向けて短いメッセージを投稿。全く信じられない様子で、「正直言って呆然としている」と述べた。
「なぜアメリカ大統領が同盟国に対して、このような振る舞いをするのか理解できない」と首相は言い、こうしたことは今回が初めてではないとも述べた。
「彼が西側諸国の敵やアメリカの敵に対して、同じ決意でもって行動しないのは残念としか言いようがない。むしろ彼は、そうした(敵国の)指導者たちに対して、はるかに寛容な態度をとっているように見える」と、首相は批判。
「しかし、彼は一つ覚えておく必要がある。私やイタリアは決して懇願などしない」と言明した。
BBCは、ホワイトハウスにコメントを求めている。

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トランプ氏の発言にメローニ氏が衝撃を受けて反論するに至るまでにも、さまざまな出来事がかつて親しかった両者の関係を悪化させていた。
2022年にイタリア首相になったメローニ氏は、欧州首脳としてただ一人、2025年1月に行われたトランプ大統領の就任式に出席した。欧州連合(EU)の多くの首脳たちは、メローニ氏がトランプ氏との橋渡し役になることを期待していた。
しかし、メローニ氏はアメリカによるイランとの戦争に公然と反対した。これを受けてトランプ氏は4月、イタリアの日刊紙コリエレ・デラ・セラとの電話インタビューで、「彼女には勇気があると思っていたが、こちらの思い違いだった」と述べていた。
トランプ氏がキリスト教カトリック教会トップの教皇レオ14世を「犯罪に弱腰で、外交政策もひどい」などと非難した際には、メローニ氏はそのような発言は容認できないとトランプ氏を批判した。
トランプ氏の今回のインタビューを受けて、イタリアのセルジオ・マッタレッラ大統領は直ちにメローニ氏に電話をかけ、首相を支持した。また、イタリアの政界全体から、首相を擁護する声が上がった。
野党・民主党の左派上院議員、フィリッポ・センシ氏は、イタリア首相に対してあのような傲慢な口調で話す権利は誰にもないと、トランプ氏を批判した。
野党「五つ星運動」のジュゼッペ・コンテ党首は、イタリアはこのような屈辱を受けるべきではないと反発し、アメリカ政府に気に入られるために国の尊厳と利益を犠牲にしてはならないと述べた。
メローニ氏が率いる与党「イタリアの同胞」のルチオ・マラン上院院内総務は、トランプ氏の今回の発言は、これまでも多くの欧州首脳に向けてきた侮辱的な発言の一環であり、何よりトランプ氏自身のイメージと権威を損なうものだと指摘した。
マラン議員は、G7のビデオ映像からは、実際にはトランプ氏の言い分とは全く違う現場の様子が見て取れると述べ、トランプ大統領を本当にいら立たせたのは、メローニ氏が必要に応じてワシントンに「ノー」と言ってきたことだったのではないかと示唆した。
連立与党の政党「盟友」を率いるマッテオ・サルヴィーニ副首相は、「ジョルジャを攻撃する者は、我々全員を攻撃している」と述べた。

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メローニ氏とトランプ氏のいさかいは、ただの口論では済まされない。一つの潮流を示すものだ。
かつてはトランプ大統領に迎合していた欧州の同盟諸国も、今では前より積極的に、反論する姿勢を見せている。
トランプ氏が今年1月、アフガニスタン戦争で北大西洋条約機構(NATO)加盟国の軍が「前線から少し離れたところにとどまっていた」などと発言すると、イギリスのキア・スターマー首相は、トランプ氏の発言は「侮辱的だ」と反発。NATO軍と英軍の役割を軽視するものだと批判した。
複数の外交関係者によると、アメリカが今年初めにグリーンランドを脅して以来、欧州の指導者たちはアメリカに対して前より強い姿勢をとっているという。
欧州は戦略的により自律的な道を歩むべきだという議論が、あらためて活発化している。欧州各国は、大西洋の反対側にいる、信頼性が下がり続ける同盟国にこれ以上頼ることなく、自分たちで何とかしようとし始めている。
欧州の指導者たちのこうした動きは、大陸各地で今後予定される選挙を前に、ヨーロッパの有権者の気分を単に反映しているだけなのかもしれない。
まぎれもなく、当初はトランプ陣営を政治的な同志と見なしていた欧州の右派政党が、今やアメリカの右派から距離を置き始めている。











