IAEA、イラン核施設を査察すると 合意に基づき実施予定と事務局長

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国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は24日、イランで核施設の査察を実施すると発表した。同国とアメリカの暫定的な和平合意に基づくものだとしている。

グロッシ氏は「査察は確実に実施される」と、訪問先の日本での記者会見で説明。「まもなく、日程、手続き、場所などの手順を決めていく」とした。

また、イランとアメリカが先週署名した合意には、イランの高濃縮ウランをIAEAの監督下で希釈することが「明確に」示されていると述べた。

一方、イランの外務次官は、同国の破壊された核施設や核物質へのアクセスに関しては、アメリカとの最終合意の枠組みの中でのみ対処されるとした。

両国の間では数日前から、国連の核査察官によるイラン核施設への立ち入りをめぐって論争が起きている。

アメリカのJ・D・ヴァンス副大統領は22日、スイスでイランの首席交渉官との協議に臨んだ後、イランが「IAEA査察官の自国への受け入れに合意した」と述べた。

しかし、イラン外務省の報道官は翌日、「詳細な議論」はなかったと発言。IAEA査察官に核施設への立ち入りを許可する予定もないとした。イランの核施設は、昨年6月のイスラエルとイランの12日間の戦争中、アメリカによって爆撃されている。

イラン側の説明について、アメリカのドナルド・トランプ大統領は「事実とは逆の反論とうそ」だとして否定。査察に対してイランが「全面的かつ完全に同意した」と述べた。

イランは反論

アメリカとイランの主張が異なっていることについて、IAEAのグロッシ事務局長は24日、「いま戦争が起きており、言葉が発せられている。『イエス』と言う人がいれば、『ノー』という人もいる」と述べた。そして、「政治的な声明であることは理解できる。それらは現実の一部だ」とした。

「だが肝心なのは(中略)双方の大統領が覚書に署名したことだ」とグロッシ氏は述べた。「(覚書は)核物質や施設に関して実施される核関連の活動がIAEAの監督下で進められると太字で明記している。これはこれから起こる」。

同氏はさらに、査察はイラン政府と協力して実施すると説明。「明後日に行われるのか、1週間後なのか、10日後になるのか。それも大事だが、本質的なことではない」とした。

一方、イランのカゼム・ガリババディ外務次官は、グロッシ氏の発言への反論とみられる発信をした。

ガリババディ氏はXへの投稿で、イランの損壊した核施設と核物質へのアクセスは、アメリカとの最終合意の枠組みの中で、すべての制裁を解除する実際的な措置が取られたあとに対処されると主張。

「メディアの騒ぎを使って事実を押し付けることはできない」と付け加えた。

アメリカとイランは14項目の覚書に基づき、60日以内に最終合意をまとめることになっている。

覚書では、双方は「相互に合意されるメカニズムに従い、備蓄された濃縮物質の処分問題を解決することに合意した。(中略)IAEAの監督下で現場で希釈するのを最低限の方法とする」とされている。

IAEAは最近の報告書で、イラン・ブシェール原発への査察官の立ち入りは今月許可されたが、昨年6月に爆撃された機密性の高い核施設については、立ち入りがまだ認められていないとしている。

濃縮ウランは、原発の原子炉の燃料になるが、核兵器の製造にも使用できる。イランは自国の核活動について、完全に平和的なものだと主張。核兵器の開発や取得を望むことはないとしている。

イランは2015年、アメリカなど6カ国と核合意を結んだ。イランに対する厳しい経済制裁を解くのと引き換えに、イランは核活動を制限し、IAEAの査察官による継続的かつ強固な監視を認める内容だった。

しかし、トランプ氏は大統領1期目の2018年、イランが核保有国になるのを止めるのにほとんど役に立たないとして、アメリカをこの合意から離脱させ、制裁措置も復活させた。

これを受けイランは、合意された制約、特にウラン濃縮に関する制限に対し、違反を繰り返すようになった。

月内にスイスで協議再開の見通し

アメリカのマルコ・ルビオ国務長官は24日、アラブ首長国連邦(UAE)を訪れ、モハメド・ビンザイード・アル・ナヒヤーン大統領と会談した。その後、クウェートとバーレーンに移動し、イランとの合意について協議した。

ルビオ氏はクウェートで記者団に対し、湾岸地域の米同盟国の安全を損なうようなことを、イランと合意することはないと説明。「私たちは湾岸地域のパートナーと全面的に連携していく」と述べた。

また、「イランが現実的で良い合意を結びたいのであれば、アメリカはそれを受け入れる用意がある。結びたくないのであれば、もちろん(トランプ)大統領には選択肢がある」と発言。今月中に交渉担当者らの協議がスイスで再開される可能性が高いと付け加えた。

アメリカとイランの当初の合意には、イランがホルムズ海峡の船舶の通過を認め、アメリカはイランの港を出入りする船舶への海上封鎖を解除することも含まれている。

原油価格の指標となるブレント原油は24日、今回の戦争が始まって以降で初めて1バレルあたり75ドルを下回った。

一方、国連は、ペルシャ湾内で足止めされている船舶の船員1万1000人超を退避させる計画のもと、一部の船がすでにホルムズ海峡を通過したと発表した。