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サウジアラビアとタイ、関係修復へ 「ブルーダイヤ盗難」での対立に終止符
サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子とタイのプラユット・チャンオチャ首相が25日、サウジアラビアの首都リヤドで会談し、外交関係を修復することで合意した。両国関係はサウジアラビア王室の宝石類が盗まれた「ブルーダイヤモンド」事件以来、30年余り冷え込んでいた。
サウジアラビアとタイは、宝石窃盗事件と、関連の殺人事件をめぐって続いてきた30年以上の対立に終止符を打った。
今回の合意により、タイ人労働者は再びサウジアラビアで仕事を見つけられるようになる。観光や石油化学といった分野での新たな協力も可能になる。サウジアラビア航空は5月にもタイへの直行便を再開するとしている。
プラユット首相の今回のサウジアラビア訪問は、両国間の首脳級の訪問としては、窃盗事件をめぐるスキャンダル以降で初めてだと、タイ・バンコクで取材するBBCのジョナサン・ヘッド記者は説明した。
プラユット首相は共同声明の中で、「1989年から1990年にかけてタイで起きた悲劇的な出来事に対し、心から遺憾の意」を表明した。
「ブルーダイヤモンド」事件
両国の関係が悪化したのは1989年の宝石窃盗事件がきっかけだった。
当時、サウジアラビアの王室で清掃員として働いていたタイ人男性クリアンクライ・テチャモン氏(有罪となり刑務所に収監されたのち出所)は、ファハド国王の長男ファイサル・ビン・ファハド王子の宮殿から希少な50カラットのブルーダイヤモンドを含む総額約2000万ドルの宝石類を盗み、タイへ持ち出した。
男性は宝石類の本当の価値を知らぬまま売却した。
タイ警察はサウジアラビアに宝石の一部を返還したが、その多くは偽物だと、サウジアラビア側は主張した。ブルーダイヤモンドの所在は今もわかっていない。
窃盗事件の1年後には、タイ・バンコクでサウジアラビアの外交官3人が射殺される事件が発生。タイの警察幹部数人が関係していたとされるが、不起訴となった。
所在不明の宝石を追跡するためにタイに派遣された調査員も失踪した。この犯罪に関係していたタイ人2人も不審な死を遂げている。
収監されたのはクリアンクライ氏と警官1人だけだった。
盗まれた宝石類を警察幹部が入手したとの疑惑が浮上する中、サウジアラビアはタイ警察が捜査をしくじったと非難した。
1994年には、当時のサウジアラビアの代理大使が、殺害された外交官は「沈黙させられた」と主張した。
複数のアナリストによると、ブルーダイヤモンド事件をめぐる関係悪化は、貿易で何十億ドルもの損失を生み、タイ人の出稼ぎ労働者数万人の雇用喪失につながった。事件以前は、約30万人ものタイ人がサウジアラビアで雇われていた。
盗まれた宝石類のほとんどは発見されていない。ブルーダイヤモンドは、世界的に産出量が少なく、希少価値が高い。形成過程でホウ素が混ざると青色になる。