バイデン米大統領、黒人の殉職軍人に軍最高の名誉勲章 ヴェトナム戦争以来

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ジョー・バイデン米大統領は16日、他人の命を助けるなどの勇敢な行為をたたえるもので、米軍人にとって最高の栄誉とされる名誉勲章を3人に与えた。その1人は2005年にイラクで自分も重度のやけどを負いながら複数の部下を助けた後、死亡した黒人軍曹で、黒人兵にこの名誉勲章が授けられるのは、ヴェトナム戦争以来という。

アルウィン・キャッシュ軍曹は2005年10月にイラクで、乗っていた軍用車両が道端の即席爆発装置によって爆破・炎上した際、敵の射撃を受けつつ、自分も重度のやけどを負いながら、部下の米兵6人とイラク人通訳1人の命を救った。搬送された米テキサス州の米軍基地内の病院で11月に亡くなった。35歳だった。

ホワイトハウスで16日に開かれた授与式でバイデン大統領は、キャッシュ軍曹の遺族をはじめとする出席者を前に、「彼が任務に就いている間は、一兵卒たりとも置き去りにすることはなかった」と述べ、「まさに軍人の中の軍人だった。仲間の兵のため、文字通り炎の中を歩いた戦士だった」とたたえた。

イラクとアフガニスタンで米軍が戦った戦争において、黒人兵が名誉勲章を受けるのはキャッシュ軍曹が初めて。

米軍の規則は、勇敢な行為の5年以内に推挙されることを名誉勲章の要件としている。しかし連邦議会は昨年、キャッシュ軍曹について例外規定を可決。軍曹の遺族や軍の同僚たちは、軍曹が勇敢行為について受けていた銀星章を名誉勲章に格上げするよう求め、長年にわたり運動していた。

米紙ワシントン・ポストによると、ドナルド・トランプ前大統領が任期終了前の今年1月にキャッシュ軍曹に名誉勲章を授与する予定だったが、トランプ支持者による今年1月6日の連邦議会襲撃事件を受けて、その計画は中止された。

バイデン大統領はこの日、陸軍特殊部隊のアール・プラムリー軍曹(41)にも、名誉勲章を与えた。2013年にアフガニスタン・ガズニ州の米軍基地が反政府勢力に攻撃された際、プラムリー軍曹らは味方の負傷兵を救出するため、拳銃1丁のみを武器に敵の中に突入していったという。

プラムリー軍曹は複数の自爆攻撃で地面にたたきつけられたものの、軽傷で済んだ。

「どうして自分に(敵の攻撃が)当たらなかったのか、いまだに分からない」と、軍曹はワシントン・ポストに話した。

陸軍レンジャー部隊のクリストファー・セリズ軍曹は2018年、アフガニスタン・パクティア州で負傷兵を運ぶため離陸しようとする医療ヘリコプターが反政府勢力に攻撃された際、自分の体を盾にしてヘリ内の負傷者を守り、自分が被弾した後も、ヘリにそのまま離陸するよう合図し続けたという。搬送先の医療施設で死亡した。32歳だった。

「自分が撃たれたと知りながら、自分はそのままにして離陸するようヘリの乗務員に合図した」とバイデン大統領は説明。「甚大な危険に直面して、彼は自分の安全よりも、仲間や乗務員の安全を優先させた」とたたえた。