世界の500万人超、新たに億万長者に パンデミック下で資産増加

画像提供, Getty Images
新型コロナウイルス感染症COVID-19のパンデミックの影響で世界各地の経済が打撃を受ける中、昨年新たに億万長者になった人が500万人以上に上ることが、スイス銀行クレディ・スイスの調査で明らかになった。
クレディ・スイスの調査によると、新型ウイルスの影響で多くの人が貧しくなった一方で、100万ドル(約1億1000万円)以上の資産をもつ「億万長者」は約520万人増え、世界全体で約5610万人になった。
2020年には初めて、世界の成人の1%以上が億万長者になった。
株式市場の回復と住宅価格の高騰がその要因という。
富の創造はパンデミックによる経済的苦境から「完全に切り離されている」と、研究者たちは指摘した。
クレディ・スイスの調査報告書「Global Wealth Report」を執筆したエコノミストのアンソニー・ショロックス氏は、パンデミックは「世界市場に短期的に深刻な影響を与えた」としつつ、「2020年6月末までにほぼ回復した」と付け加えた。
「世界の富は、こうした混乱の中でも安定していただけでなく、実際に昨年後半には急速に増加した」
報告書によると、世界の総資産は7.4%増加した。
<関連記事>
21世紀に入ってから、1万ドル(約110万円)から10万ドル(約1100万円)の資産を持つ人の数は、3倍以上に増えている。2000年には5億700万人だったが、2020年半ばには17億人に膨らんだ。
この増加は「特に中国のような新興経済国の繁栄と、発展途上国における中流階級の拡大」を反映していると、研究者は指摘した。
クレディ・スイスのナネット・ヘクラー・フェデルブ最高投資責任者は、「パンデミックの影響を最も受けた個人や企業を支援するために政府や中央銀行が大規模な所得移転プログラム立ち上げ、金利を引き下げることで、世界規模の危機を回避できたことは否定できない」と述べた。
そして、「中央銀行による金利の引き下げが、おそらく最も大きな影響を与えている」と付け加えた。
「これが株価や住宅価格が上昇した主な要因であり、我々の家庭資産の評価に直接反映される」
しかしヘクラー・フェデルブ氏はこうした介入には「大きなコストがかかっている」と付け加えた。
「GDP(国内総生産)に関連する公的債務は、多くの国で20ポイント以上上昇している」
「公共部門からの家計に対する手厚い支払いにより、世帯の可処分所得は比較的安定しており、一部の国では増加している」
格差拡大も
一方で、昨年は成人の資産の差が拡大したとも指摘。住宅価格など資産価格の上昇を分析から除外した場合、「世界の家庭の資産は減少していたかもしれない」とショロックス氏は述べた。
「金融資産があまり普及していない低所得層では、資産に変動がないか、多くの場合は減少傾向にある」
「根本的な要因のいくつかは、時間の経過とともに自動修正されるかもしれない。例えば、いずれ金利が再び上昇に転じて資産価格が下落するというように」








