国連、ホルムズ海峡で足止めの船員退避計画を一時停止 貨物船への攻撃受け

海上に4隻の船舶が浮かんでいる

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画像説明, ホルムズ海峡に浮かぶ大型船(オマーンから撮影)
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国連の国際海事機関(IMO)は25日、アメリカとイスラエルによる対イラン戦争のためホルムズ海峡で足止めされている船員1万1000人超について、退避計画を一時停止した。同海峡を通過中の貨物船1隻が攻撃されたことを受けた措置。

IMOのアルセニオ・ドミンゲス事務局長は、すでに数隻の船舶の退避は完了しているとしたうえで、IMOは「必要な安全保証」が引き続き維持されることを確認したい考えだと述べた。

イギリスの海上貿易業務調整機関(UKMTO)は25日、オマーン・ダヒト港の南東7.5カイリの海域で、、船舶1隻が「正体不明の飛翔体」による攻撃を受けたと明らかにした。死傷者は報告されていない。

海上警備会社ヴァンガードによると、攻撃されたのはシンガポール船籍の貨物船「エヴァー・ラヴリー」。同船は攻撃を受けた後も、ホルムズ海峡の航行を続けたという。

米メディアによると、イランがこの船に向けて発砲したと複数の米政府関係者が話している。

一方、ホルムズ海峡を管理するためにイランが設置したペルシャ湾海峡庁(PGSA)は、指定された航路を外れて通過する船舶については、安全な航行を保証しないと表明した。PGSAはソーシャルメディアへの投稿で、「許可されていない航路の使用によって生じるいかなる結果についても、その責任は船舶の所有者、用船者、船長が負うものとする」とした。

2月28日に始まったアメリカ・イスラエルとイランとの戦争の影響で、ペルシャ湾では数百隻の船舶と数千人の船員が足止めされている。

こうした船員を退避させる国連の計画は、23日に発表されたばかりだった。IMOのドミンゲス事務局長は、船員を退避させる「大規模作戦」について、イラン、オマーン、アメリカ、ペルシャ湾に面するそのほかの国々、および海運業界と協力して実施されることになると説明していた。

ドミンゲス事務局長は25日の声明で、攻撃された船舶について、「IMOの退避枠組みの下で航行している船舶ではなかった」と述べた。そのうえで、「私はこれまでも一貫して、船員の安全が何よりも重要だと述べてきた。したがって、協調的な対応と航行の安全を確保するため、状況がより明確になるまでは、退避計画を一時停止する」とした。

船舶追跡サイト「マリントラフィック」によると、エヴァー・ラヴリー号は25日朝、ホルムズ海峡の南側航路から進入し、現地時間午後3時30分ごろに東側から海峡を抜けた。

ヴァンガードは当該船について、支援は必要なかったと報告している。

米イラン協議をめぐる動き

アメリカとイランは17日に、紛争終結に向けた、14項目からなる合意に署名した。この合意には、60日以内に最終合意をまとめる間、イランがホルムズ海峡を通る船舶に通行料を課すことなく、商船の安全な航行を確保するよう「最大限努力」することが盛り込まれている。

しかしイラン政府は、船舶に対して通行料ではなく、海上サービス料を徴収する計画だと、繰り返し表明している。

この方針にアメリカは激しく反発している。マルコ・ルビオ米国務長官は23日、ホルムズ海峡を「国際水路」と呼び、「国際水路で通行料や手数料を徴収することは、いかなる国にも許されない。これが現行の国際法だ」と警告した。

イランとの合意について協議するため、湾岸諸国を歴訪中のルビオ氏は、バーレーンを訪れている。

2月28日に米・イスラエルによる対イラン攻撃が始まって以降、イランは事実上、ホルムズ海峡を封鎖していた。世界の原油・天然ガスの重要な海上輸送路であるホルムズ海峡の封鎖により、原油価格は急騰し、肥料などの重要物資の輸送も停滞した。

ただ、17日にアメリカとイランが了解覚書(MOU)に署名し、イランの核開発計画や戦争終結に向けた措置について協議する60日間の期限が設けられて以降、原油価格は急落している。

25日の早い段階には、原油価格が一時、1バレルあたり72.48ドル(約1万1700円)を下回った。これは、アメリカとイスラエルが対イラン攻撃を開始する前日の水準だ。価格はその後、73.23ドルまで小幅に上昇した。