英米首脳会談、「大西洋宣言」で経済連携強化へ

イギリスのリシ・スーナク首相とアメリカのジョー・バイデン大統領

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イギリスのリシ・スーナク首相は8日、米ワシントンでジョー・バイデン大統領と会談し、経済分野での協力を深める「大西洋宣言」を発表した。

この協定では、貿易障壁を緩和するほか、防衛産業での関係強化、データ保護協定、人工知能(AI)での協力深化などで合意した。

英米間の自由貿易協定は、2019年の総選挙で与党・保守党が掲げた重要な公約だった。しかし、全面的な自由貿易協定の計画は、数カ月前に取り下げられている。

BBCのクリス・メイソン政治編集長は米ホワイトハウスでの記者会見で、「大西洋宣言」は、より広範な貿易協定の締結に「失敗したのを認める」ものかと質問した。

これに対しスーナク首相は、同宣言は「我々が今直面している特定の課題と機会に対応するもの」だと述べた。

また「何ができるだけ早く、我々の国民に利益をもたらすことができるか」という、より的を絞ったアプローチだと説明。

「両国の経済関係が、かつてないほど強固なことは間違いない」と語った。

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大西洋宣言では、イギリスから輸出される電気自動車(EV)電池の原材料が、アメリカの環境税の控除や補助金の対象になる。

イギリスはこれまでもEV電池に使う鉱物などを輸出していたが、貿易協定を結んでいないため、税控除の対象となっていなかった。

データ保護の分野では、イギリス企業が手数料なしでアメリカの組織にデータを送信できるようになる。英首相官邸によると、これによって約5万5000社が計9240万ポンド(約161億円)を節約できるという。

バイデン大統領はまた、今年後半にイギリスでAIの安全性に関する国際首脳会議を開催するというスーナク氏の計画を支持した。

スーナク首相は、「イギリスとアメリカは、両国が共に達成できることの限界に常に挑戦してきた」と述べた。

「なので産業革命以来最大の変革に両国経済が直面する中で、より強力な経済の未来を共に築くために互いを頼るのは、自然なことだ」

「大西洋宣言は、経済協力の新たな基準を設定し、我々の経済を未来へと推進することで、国民を守り、雇用を創出し、共に経済を成長させられる」

両首脳は、ロシアを世界の民間原子力市場から締め出すため、共にサプライチェーンの回復力を高めることでも同意。世界が権威主義国家によって新たな挑戦に直面していると指摘した。

バイデン大統領は、「the special relationship」(特別な関係)と呼ばれる米英関係は「本当に良い状態」にあると述べ、ウクライナに関する協力関係に言及した。

「私たちは一緒になって、ロシアによる残忍な侵略と戦うウクライナに、経済的・人道的援助と安全保障システムを提供している」のだと、バイデン氏は強調した。