ロンドン警視庁、戴冠式当日の君主制反対者の逮捕は「遺憾」 証拠なかったと

ロンドン警視庁は8日、英国王チャールズ3世の戴冠式の日の朝、君主制に反対する抗議行動に参加した6人を逮捕したことについて、「遺憾の意」を表明した。
ロンドンのトラファルガー広場では戴冠式当日の6日朝、「私の王ではない」と書かれたTシャツを着た人々が君主制に抗議した。
警察は君主制廃止を求める市民団体「リパブリック」のグレアム・スミス代表を含む6人を逮捕した。
スミス代表は、警察から個人的に謝罪を受けたが、これを受け入れなかったと述べた。そして法的措置を取るつもりだとした。スミス氏は今回の抗議行動をめぐり訴追されていない。
6人は、トラファルガー広場の北側に複数のプラカードを運び込んだ際に逮捕された。
イギリスでは先週、街灯やベンチといった街中の備品に物を固定しようとする行為を違法とする新たな法律が成立した。
ロンドン警視庁は、この物議を醸している新法に基づいて6人を拘束したことを認めた。
謝罪拒否、完全な調査要求
スミス氏によると、主任警部1人と警官2人が8日夕、レディングにある自宅に謝罪しに来たという。
「正直なところ、みんなかなり、きまり悪そうだった」と、スミス氏はPA通信に語った。
「私は、念のために言っておくが、謝罪は受け入れないと伝えた。私たちには答えが必要な質問がたくさんあり、行動を起こすつもりだ」
スミス氏は先に、この「不名誉なできごと」について「完全な調査」を求めるとしていた。
違法行為の証拠なく
ロンドン警視庁は、戴冠式のパレード・ルート近くで車両を停めた際に逮捕された6人について、現在法律で禁止されている、街中の備品に物を固定する行為が計画されていた証拠はなかったとの評価結果を明らかにした。
ロンドン警視庁はまた、そうした「物を固定する備品として使用されるものだと確信する合理的な根拠がある」と、現場に駆け付けた警官が考えたと説明。しかし、「イベントを妨害するためにそれらを使用する意図を証明することができなかった」とした。
逮捕された1人のマット・ターンブル氏は、プラカードを支えるためのストラップが、何か別のものに「誤解された」と述べていた。
逮捕者の中には、ナイフまたはとがった物品を所持していたとして逮捕された者もいた。
ロンドン警視庁は、「抗議行動を停止されたグループ内の少なくとも1人が」、戴冠式に対する合法的な抗議行動について「警察と議論していた」ことが、逮捕した警官には「その時点では明白に伝わっていなかった」と説明した。
警視庁の声明には、「逮捕された6人が、トラファルガー広場やパレード・ルート沿いのほかの場所で、より広範な抗議者グループに加わることができなかったことを残念に思う」とも書かれている。
6人の保釈は取り消され、それ以上の措置は取られないとしている。
抗議行動について警察に相談と
スミス氏は8日、自身の団体の抗議計画に関する警察との相談に、数カ月を費やしたと述べた。ツイッターに投稿した声明の中で、同団体は「法的措置を取ることについて弁護士に相談する」つもりだとした。
警察に誤解されて16時間拘束されたとするスミス氏は、BBCラジオ4の番組「トゥデイ」で、「警察は(同団体に関する)情報を得ていると言っていたが、事実ではなかった」と述べた。
「彼らが情報を持っていたのなら、警察の情報担当者がうそをついていたか、無能だったかのどちらかだ。何か破壊的なことをしようという意図を示唆する話し合いや考え、メール、メッセージなどは一切存在していなかったので」
また、数カ月間の話し合いの末、「警視庁は私たちの抗議計画には何ら懸念はないと、私たちが何をしようとしているのかを十分認識し、私たちと関わるつもりだと、私たちの行動を妨げるつもりはないと、5日まで繰り返し言っていた」とした。
「つまり、彼らは自分たちの意図について繰り返しうそをついていたということだ。彼らは実際に逮捕するよりも前に、私たちを逮捕するためのあらゆる意図を持っていたのだと、私は考える」
スミス氏は、今回の逮捕は、戴冠式に対する妨害行為を抑えるのに必要なものだったとする指摘を一蹴した。
ロンドン警視庁労組のケン・マーシュ委員長は先に、警官は「えこひいきなく、取り締まりを行っている」、「信じられないほどの仕事ぶりで」戴冠式を取り締まったと主張していた。
スミス氏はBBCラジオ4の番組「トゥデイ」で、「私たちはあの瞬間、私たちに突き付けられたあらゆるものを考慮しなければならない。もし個人が、自分の近くや周りにいる人に影響をあたえるような事案を引き起こそうとするなら(中略)それに対処するための行動を取る」と述べた。
「この国で抗議活動を行うことは可能だが、その抗議活動をどの程度行うかという点で、私たちはバランスを取り、対処しなければならない」









