メキシコ政府が米銃メーカーを提訴、武器密輸を促進と非難

A Ruger pistol, or handgun, is displayed during a gun 'buyback' event held by the New York Police Department (NYPD) and the office of the Attorney General, in the New York borough of Brooklyn on May 22, 2021.

画像提供, AFP

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メキシコ政府は4日、アメリカの複数の大手銃メーカーが製品の密輸を黙認していることが、メキシコでの死者増加につながっているとして、これらの企業を提訴した。

最大100億ドル(約1兆1000億円)の賠償金を求めているが、実際の金額は裁判で決定する。

起訴されたのは、スミス・アンド・ウェッソンやバレット・ファイアーアームズといった大手銃メーカー。BBCは両社にコメントを求めている。

現在のところ、起訴された各社は声明を出していない。

米マサチューセッツ州の裁判所に提出された訴状によると、メキシコ政府は「(これらの企業が)積極的に、メキシコの薬物カルテルなどの犯罪組織への違法な銃輸出を促進していることで発生している大規模な損害に終止符を打つ」ために起訴に踏み切った。

この訴訟の関連書類で外務省は、銃メーカーは「自分たちの製品が密輸され、メキシコ当局や市民を脅かす違法な活動に使われていることを承知している」と指摘。

また、「安全や追跡のメカニズムを導入せず、殺傷力の高い武器を売り込むためにマーケティング戦略を使っている」と述べた。

AP通信によると、メキシコ政府は同国に密輸される武器の70%ほどがアメリカからやってきているとみている。同国では2019年だけでも、密輸された武器による殺人が1万7000件起きている。

別の政府職員は、密輸されている武器の総額は、メキシコの国内総生産(GDP)の1.7%と同額に上ると指摘した。

マルセロ・エブラルド外相は記者会見で、「我々はこの裁判に勝ち、メキシコに密輸される違法な武器を劇的に減らすつもりだ」と述べた。

一方で、この裁判はアメリカ政府を相手取ったものではないと強調。エブラルド外相は、ジョー・バイデン米政権も武器密輸を減らすためにメキシコと協力したいはずだと述べた。

しかし専門家からは、メキシコがこの裁判で勝つ見込みを疑問視する声も出ている。

メキシコ大学のロレンツォ・メイヤー名誉教授はAFP通信の取材で、アメリカ法では「銃メーカーに密輸の責任を課すのはほぼ不可能」だと指摘している。