TV司会者に人種差別メッセージ、有罪判決で収監 ベルギー

画像提供, RTBF/Martin Godfroid 2017
ベルギーの裁判所は13日、テレビ司会者に人種憎悪のメッセージを送りつけたとして男性被告に有罪判決を言い渡し、15日間の収監を命じた。
ベルギーのフランス語公共放送局RTBFに勤務するセシル・ジュンガさんは2018年9月、天気予報を伝えていた間に人種差別的な嫌がらせメッセージを連続的に受けたと訴え出た。
ジュンガさんはその後、動画で「お前の国に帰れ」と言われるのはもう耐えられないと抗議。女性が性的嫌がらせに声を上げているのと同様、ベルギー国民は人種差別に声を上げる必要があるとアピールした。
また、職場では上司らの支援を受けていると話していた。
捜査の結果、ジュンガさんの映像に対して人種差別的な反応をしたとして、1人の男性が起訴された。
差別が罰せられた
この日の判決公判で、裁判所は男性被告に執行猶予つきの禁錮6カ月の刑を言い渡し、15日間の収監と罰金1600ユーロ(約21万円)を命じた。
最近はフランスのテレビにも定期的に出演しているジュンガさんは、判決が言い渡された後、人種差別が罰せられて満足していると裁判所の前で述べた。
この事件では、多くの人がインターネットを通じて、ジュンガさんに対する人種差別的なメッセージを送った。だが、裁判にかけられたのは1人だけだった。
発信者たちが自らのメッセージを削除したことや、証拠となるスクリーンショット画像がないことなどが、立件を困難にした。
心に大きな傷
ジュンガさんは判決公判に先立ち、事件でトラウマが残り、自らを永遠に変えてしまったとフェイスブックに投稿した。
「裁判闘争は初めてで、心理的な影響は望ましいものではありませんでした。非常に暴力的なものです」
「理由がわからないまま、何日間も黙って涙を流しました」
ジュンガさんは、ソーシャルメディアに費やす時間も減ってしまったと付け加えた。
裁判官が懸念
人種差別に抗議したジュンガさんは、多くの支援メッセージを受け取ったが、差別は続いた。
この日判決が言い渡された男性被告は、フェイスブックのアカウントから人種を侮蔑するメッセージを送っていた。さらに、ジュンガさんが襲われるとしたら、命取りになることを望んでいると表明していた。
AVというイニシャルだけが明らかにされているこの被告は、当初は弁護士をつけずに裁判に臨んだ。その後、出廷を停止。ベルギーではアメリカのような言論の自由が認められていないと不満を述べていた。
裁判官は判決の言い渡しで、被告が事の重大さを理解していないのではないかと心配していると表明。言論の自由は絶対的なものではなく、「憎悪に満ちた発言」の理由にはならないと述べた。
機会均等化の推進に取り組むベルギーの団体ユニアは、今回の判決について、ソーシャルメディアの発言にも限度があると示したと評価。
「私たちはここ何年間か、ソーシャルメディアが人々に、自由にうっぷんをぶちまけさせるのを見てきた。人々は個人や社会への影響に配慮せず、憎悪を表明している」と指摘した。








