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パキスタンの人権活動家、亡命先のカナダで遺体で発見
パキスタンの人権活動家カリマ・バローチさん(37)が、亡命先のカナダで行方不明になり、同国トロントで遺体で発見された。バローチさんは5年前からトロントで暮らしていた。
パキスタン西部バロチスタン地域出身のバローチさんは、同国の軍部や政府を批判してきた。
トロント警察は、20日にバローチさんが行方不明になったと発表。その後、遺体で発見されたと明らかにした。死因などに「不審な点はないとみられる」と話している。
バローチさんは2015年、パキスタン国内でテロ容疑をかけられたために亡命。その後も地元バロチスタンの住民の権利を求めてソーシャルメディアなどで活動していた。同じくトロント在住の活動家ラティーフ・ジョハル・バローチさんによると、彼女は脅迫を受けていたという。
バローチさんの元には最近、「クリスマスギフトを贈る」、「教訓を与える」などと書かれた匿名の脅迫文送られてきていた。
また、バローチさんの姉妹のマガニさんはBBCウルドゥ語の取材で、バローチさんの死は「家族だけでなく、バロチ民族主義運動にとっても悲劇だ」と語った。
「カリマは行きたくて外国に行ったわけではない。パキスタンでは公の場での活動が不可能になってきている」
民族主義運動で有名に
バロチスタン地域は長年、分離主義者による暴動の温床になっている。バローチさんはこの地域で活動家として知られ、現在は活動が禁じられている活動団体「バロチ学生組織」で女性初の会長となった。
バローチさんは2005年、行方不明者に関する抗議デモに、行方が分からなくなった親族の写真を持って参加し、注目を集めた。
バロチスタン地域ではここ数年、多くの活動家が行方不明になっているという。パキスタン軍は、自治を求める同地域を抑圧しているとの批判を否定している。
バローチさんの親族も長い間、バロチスタンの反政府運動に関わってきた。バローチさんのおじ2人も行方不明になり、その後、遺体で発見された。
また、スウェーデンに住んでいた親戚でジャーナリストのサジド・フサイン・バローチさんも行方不明になった後、死亡が確認された。スウェーデン警察は死因を溺死と断定し、「明らかに不審な点」はなかったとしている。
BBC「100人の影響力ある女性」にも
バローチさんは2006年にバロチ学生組織に参加し、さまざまな役職を経験。この組織は2013年に政府から正式に活動が禁じられたが、その後も活動は続けられ、バローチさんは2015年に会長となった。
しかしその数カ月後、テロ容疑がかけられたために国外に逃亡。トロントで同じく活動家のハマル・バローチさんと結婚し、カナダや欧州を中心に人権活動家として活躍していた。
バローチさん死亡を受け、バロチスタン民族主義運動は40日間の服喪を発表した。
BBCは2016年に、バローチさんの活動家としての働きから、100人の影響力のある女性に選出している。