今冬に新型ウイルスが流行すれば「第1波より悪化する可能性も」=英政府報告
ミシェル・ロバーツ、BBCニュースオンライン、保健担当編集長

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最悪のシナリオでは、イギリスで次の冬に新たに約12万人が新型コロナウイルスに感染して死亡するおそれがあることが、政府主導の調査で明らかになった。
英政府の首席科学顧問、サー・パトリック・ヴァランスが指示したこの調査では、「合理的な」最悪シナリオの場合、今年の冬の新型ウイルス関連死は病院内だけで2万4500~25万1000人に上り、来年1~2月がピークになると想定している。
イギリスではこれまでに4万4830人が亡くなった。7月に入ってからは1100人と、その数は徐々に減っている。
最悪シナリオには、ロックダウン(都市封鎖)や効果的な治療、ワクチンなどは要素として含まれていない。
研究者チームは、「今すぐ対策をすれば(中略)リスクは軽減できる」と述べている。
新型ウイルスのパンデミック(世界的流行)が冬にどう推移するのかについては、不確定要素がきわめて多いという。
しかし、ウイルスは寒冷環境の方が長く生存する可能性があり、人が屋内で過ごす時間が増えると感染も拡大しやすくなるとみられている。
さらに冬季には、国民医療制度の国民保健サービス(NHS)への圧力が極端なまでに高まると懸念されている。冬季には新型ウイルスに加えて、季節性インフルエンザの感染が増えるほか、新型ウイルス対応で滞った通常の治療にも対応しなくてはならないからだ。
NHSではすでに新型ウイルスの第1波によって、通常診療が深刻なほど遅滞している。治療を待つ人の待機リストは年末までに、1000万件に達する可能性がある。

この調査を主導したサウザンプトンNHSトラスト大学病院の呼吸器専門医、スティーヴン・ホルゲート教授は、「これは予言ではないが、可能性を示している」と説明した。
「このモデルによると、COVID-19の死者は次の冬、ますます増える可能性がある。しかし、直ちに対策をとればリスクは軽減できる」
また、現在は感染者を低く抑えられていることから、「冬にどれほどひどいことになるとしても、今こそそれに備えるチャンスだ」と話した。
一方で、新型ウイルスによる死者が数千人で収まるという、比較的楽観的なシナリオも想定されている。
報告の共同著者で王立医学協会のデイム・アン・ジョンソンは、「今年はもうすでに厳しい思いをしてきただけに、またしても大変な事態になり得るとなれば、もう無理だ、自分たちには何も出来ないと思ってしまいがちだ。しかし今回の調査は、事態を好転させるために今こそ何ができるかを示している」と述べた。
調査報告は、以下のことを推奨している。
- 新型ウイルスと、インフルエンザなどの季節性感染症との感染重複に供え、検査・追跡プログラムを拡充する
- インフルエンザワクチンを接種人数を増やす
- 病院や介護施設に十分な個人用防護具(PPE)を用意する
- 感染拡大を防ぐため、病院や介護施設に新型ウイルス感染者のいない区域を作る
マット・ハンコック保健相は、冬になればNHSが対応しなくてはならない案件が急増すると想定し、すでに準備に着手していると話す。
イギリス政府は「史上最大のインフルエンザ・ワクチン接種計画」を遂行するため、十分なワクチンを確保しているほか、新型ウイルスに有効なワクチンが見つかった時に備えた接種計画も用意しているという。
政府は、「NHSを逼迫(ひっぱく)させるような第2波を避けるため、必要な備えが確保できているよう、政府は警戒を続ける」とコメントしている。









