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ヴェネズエラ地震、生存者の捜索続く 死傷者さらに増える恐れも
ヴァネッサ・ブシュシュルーター中南米・カリブ海特派員、レイラ・ヴァンテス記者、クレア・キーナン記者
南米ヴェネズエラでマグニチュード(M)7超の強い地震が2度立て続けに発生してから1日たった25日、被災地では救助活動が続いた。AFP通信によると、カルロス・アルヴァラド保健相が国営テレビで25日、死者が少なくとも235人に増えたと発表。負傷者は少なくとも4300人に上るとした。
首都カラカスおよび近隣の沿岸都市ラ・グアイラでは、倒壊した建物のがれきの下から助けを求める声が聞こえた。
米地質調査所(USGS)によると、24日夕(日本時間25日朝)に発生した地震では、最初のM7.2の地震の数十秒後、さらに強いM7.5の地震が続いた。いずれも震源が浅かったため、被害がより深刻になったという。
死者数は今後、さらに増える可能性がある。また、被災地では多くの人が住む場所を失ったり、損傷して安全ではない建物にとどまることを恐れたりし、路上で寝泊まりしている。
余震も地域全体で続いている。デルシー・ロドリゲス暫定大統領は国営テレビに対し、2度の地震の後、少なくとも30回の余震が記録されたと述べた。
これまでに複数の国が救助活動への支援を表明しており、アメリカは1億5000万ドル(約242億5000万円)の援助を約束した。米軍は声明で、被災地の捜索救助チームと「迅速な救援活動」を支援するため、輸送艦と航空機を派遣すると述べた。
ロドリゲス暫定大統領は、アメリカのほか、ドミニカ共和国、エルサルバドル、メキシコ、カタールから支援が送られていると明らかにした。
地震は、24日午後6時4分(日本時間25日午前7時4分)ごろ相次ぎ発生した。この日は、「カラボボの戦い」(1821年)を記念する国民の祝日で、地震発生当時、通常の平日よりも多くの人が自宅にいた。
USGSによると、震源はいずれも浅く、最初の地震は深さ20.3キロ、2度目は深さ10キロだった。
ロドリゲス暫定大統領は24日に緊急事態を宣言した。
ヴェネズエラ国民議会のホルヘ・ロドリゲス議長は25日、死者数が増加していると報告した。
ロドリゲス議長がテレビで説明したところでは、倒壊や損壊した建物は約250棟に上った。主に北部沿岸部のラ・グアイラ州で被害が確認されているという。BBCは、同州で10階建てのホテルががれきと化した様子を示す映像を確認した。25日には、人々がホテル周辺で家族や知人を探す様子もみられた。
そのうちの1人、フアン・オルティス氏はBBCに対し、親しい友人1人が死亡したほか、別の1人はがれきの下にいるようだと話した。さらに、沿岸地域に住む知人約20人が行方不明だと語った。
「衝撃と混乱でいっぱいで、助けられないことにもどかしさを感じている」と、カラカスに住む医学生のオルティス氏は述べた。
ディオスダド・カベジョ内務相は、首都でも建物が倒壊したと明らかにした。また、トルヒーヨ、ヤラクイ、カラボボ、アラグア、ミランダの各州でも被害が報告されたと述べた。
カラカス大都市圏の一部を構成するチャカオ市のグスタヴォ・ドゥケ市長は25日、これまでに同市で11人が死亡し、23人が救出されたと述べた。
同市長はソーシャルメディアに投稿した動画で、専門家が内部に入って「生存している可能性のある人々に到達できるように」するため、チームががれきを取り除こうとしていると説明。「できる限り多くの人を生きたまま救出しようとしている」と語った。
ロドリゲス暫定大統領によると、カラカス郊外にある主要国際空港のマイケティア空港も、地震で被害が出て閉鎖された。内部で撮影された映像では、ターミナルの天井からほこりやがれきが落下する様子が確認された。
別の検証済みの映像では、カラカスの北西約250キロの沿岸部トゥカカスで、複数階建ての建物が崩壊している様子が確認された。この建物はホテルとされている。
USGSは、「多数の死傷者と広範な被害が見込まれ、災害が広範囲に及んだ可能性が高い」としている。
また、過去の類似する地震や周辺人口の規模など複数の要因に基づき、今回の地震による死者が1万人を超える確率は42%、10万人を超える確率は33%と推計している。
この推計値は緊急対応を支援するために示されたものであり、正確な予測ではない。同様の特性を持つ過去の地震や、各地震の規模や震源の深さなどの要因に基づいて算出されている。
死傷者数には、建物の耐久性や地震が発生した時間帯なども影響する。
ヴェネズエラは二つのプレートの境界上に位置しており、今回の地震はそれらの間に蓄積された摩擦が突然解放されたことによって発生した可能性が高いという。
カラカスに拠点を置くジャーナリストのルイス・エルナンデス氏はBBC番組「ニュースデイ」に対し、停電やインターネット障害が状況を複雑にしており、被害の実態を正確に把握するのは困難だと語った。
「国内の経済危機のため、私たちが状況を評価するのは極めて難しい」と同氏は述べた。
カベジョ内務相は国営テレビVTVに対し、カラカスではアルタミラ地区とロス・パロス・グランデス地区が最も大きな被害を受けたと述べた。
これらの地域は、1967年の大規模地震でも特に大きな被害を受けており、この時には200人が死亡した。
USGSの記録によると、今回の2度目の地震は、1900年以降でヴェネズエラを襲った中で最も強い地震だ。
「人生で経験した中で最も強い地震だった」とBBCニュース・ムンドのニコル・コルスター記者は述べた。
ロス・パロス・グランデス地区の集合住宅7階に住むコルスター記者は、「(揺れが)あまりにも強く、建物が自分の上に崩れ落ちるのではないかと思った」と語った。
報道によると、数百キロ離れた隣国コロンビアの首都ボゴタでも揺れが感じられたという。
マドゥロ氏拘束後のアメリカとの関係
この地震は、ドナルド・トランプ米大統領が1月にカラカスで電撃作戦を実行し、ニコラス・マドゥロ大統領を拘束しアメリカへ移送して以降の、ヴェネズエラとアメリカの新たな関係にとって最初の試練となっている。
トランプ大統領は24日、「迅速な行動に向けて準備するよう政府に指示した」と述べた。自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、「偉大なヴェネズエラ国民を襲った2度の大地震は、いずれも規模が極めて大きく、壊滅的な数の死者をもたらしている」と投稿した。
さらに、「アメリカには支援の用意、意思、能力」があると付け加えた。
マルコ・ルビオ米国務長官は、アメリカが「捜索救助チーム、医療資源、人道支援を直ちに展開している」と述べた。
一方、ヴェネズエラの反体制派指導者マリア・コリナ・マチャド氏はソーシャルメディア「X」に、「この苦しみの時間において、私の心と、尽きることのない抱擁と祈りは、すべてのヴェネズエラの家庭と共にある」と投稿した。
元国会議員のマチャド氏は、不正が強く疑われた2024年大統領選挙で勝利したと主張。2025年にはノーベル平和賞を受賞した。
トランプ政権は、長年にわたりアメリカを批判してきたマドゥロ氏を拘束以降、ヴェネズエラとの関係の再構築を図っている。トランプ氏はマチャド氏ではなく、マドゥロ政権の副大統領だったロドリゲス氏への支持を打ち出してきた。
こうしたなか、マチャド氏は1月には非公開でトランプ氏と会談し、ノーベル平和賞のメダルを贈呈している。
(追加取材:エスメ・スタラード記者、ガブリエラ・ポメロイ記者)