米空母が海上に250日以上……高まる懸念、乗組員のメンタルヘルスなどに影響

海に浮かぶ空母に小型ジェットが着陸する様子を横からとらえた写真

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画像説明, 米海軍の空母エイブラハム・リンカーン(資料写真)
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アナ・フェイギー記者、マックス・マッツァ記者

海上で250日以上も任務を遂行しているアメリカ海軍の空母で、数千人の乗組員が食料不足や水道設備の呼称、疲労などに苦しんでいるとされている。連邦議員らは国防総省に説明を求め、イラン戦争をめぐってトランプ政権に圧力をかけている。

軍事メディアは、空母エイブラハム・リンカーンの乗組員の一部が海に飛び込もうとしたと報じた。乗組員の家族からは、艦内の精神衛生状態について懸念の声が上がっている。

ピート・ヘグセス国防長官は13日、状況に関する報道は「完全に誤って伝えられている」と述べた。

この空母は昨年11月に米カリフォルニア州を出港し、南シナ海に向かった後、今年2月のイラン攻撃に先立ち中東へ派遣された。

当初5月に終了予定だった今回の配備は、度々延長されている。帰還日は発表されていないが、複数のメディアが13日、以前から予定されていた交代計画の一環として、空母ジョージ・ワシントンを派遣する準備を進めていると報じた。

リチャード・ブルーメンソール上院議員(コネチカット州選出、民主党)は、ヘグセス長官宛ての書簡で、約5000人が乗艦する同空母で報告されている状況を列挙した。「基本的な物資の不足、水の汚染、配管の問題、精神衛生状態の悪化、甲板の安全上の懸念、そして郵便システムの混乱により、この艦に送られるはずだった多くの救援物資が、数カ月間も輸送中に紛失している」。

「これらの報告は直ちに注目に値する」と、軍事委員会に所属する同議員は述べ、「しかし、これはより広範な疑問も提起する。海軍は現在、空母部隊に求められている作戦ペースを維持できるのだろうか」と問いかけた。

民主党のルーベン・ガレゴ上院議員も軍に対し、議会代表団が同艦を訪問し、「この恐ろしい状況に対する監督調査を実施する」ことを許可するよう求めたとソーシャルメディア「X」に投稿。「立ち入りを拒否する理由はない」と付け加えた。

BBCがアメリカで提携するCBSニュースは、匿名の関係者2人の話として、今月初めに乗務員1人が海に落ち、ヘリコプターで救助され、医療部門による治療を受けた後、さらなる治療のため艦から移送されたと報じた。

この件の状況については現在調査中だという。

軍事紙ミリタリー・タイムズとスターズ・アンド・ストライプスは今週初め、兵士らの家族の話として、複数の乗組員が海に飛び込むことを考えていたと報じた。家族によると、長期間の航海と艦内の劣悪な環境が、一部の乗組員の心の健康を損なっているという。

報道によると、そうした状況には、1週間以上洗濯ができない、港への寄港頻度が低いため新鮮な食料が食べられないといったことも含まれていた。空母が寄港しても、乗組員は必ずしも降艦が認められない。

エイブラハム・リンカーンの乗組員の家族はBBCニュースに、この乗組員が任務開始以来、29キロも体重が減ったと話した。

報復を恐れて匿名を条件に話したこの家族は、他の乗組員が艦から飛び降りようとしたことを、自分たちの身内の乗組員から聞いたという。

最近のワッツアップでのやり取りで、「彼は『もうへとへとだ。死ぬほど疲れた』と言っていた」と、この家族は述べた。

その乗組員は、艦のエンジン音や飛行機の離着陸による絶え間ない騒音と振動について家族に話したのだという。

「彼は任務を理解しているし、任務中は決して理想的な状況にならないことも分かっている」と家族は語った。

「これは休暇ではない。自分が何をすべきか本人も分かっている。ただ、寄港することもなく、陸地に足を踏み入れることもなく、気を休める時間もない。絶え間ない振動だ。朝も昼も夜も、寝ている時も、食事をしている時も、シャワーを浴びている時も。心に安らぎの瞬間など全くない」

マイク・レヴィン下院議員(カリフォルニア州、民主党)は同艦の状況について、「かびだらけのシャワー、壊れたトイレ、何週間も使えない洗濯設備、長期間お湯が出ない状況、食事はご飯半カップとトルティーヤ2枚だけ。石けんもデオドラントも歯磨き粉もない」と列挙した。

これらの報道を受けて、海軍当局者はBBCに対し、艦内での希死念慮や自殺未遂の報告が増加したという証拠は確認されていないと説明。一方、「従来の補給拠点」が「戦闘行動によって混乱した」と述べた。

海軍は現在、艦艇への「任務遂行に不可欠な物資」の供給を最優先にしているという。

「まずは食料、次に衛生用品、そして郵便物だ」と当局者は12日に述べた。「艦からの最新報告によると、清潔な水、正常に作動するエアコン、そして健康的な食事が継続的に提供されている」。

ヘグセス氏は13日に訪問中のパナマで記者団に対し、政府は「すべての艦、すべての乗組員、すべての艦長が、あらゆる瞬間に我々が提供できるすべてのものを確実に受け取れるようにしている」と述べた。

「任務期間の長さは様々だが、そうした任務に就く乗組員たちには誰よりも敬意と感謝の念を抱いている」とヘグセス氏は述べた。「外洋の厳しい環境下で、寄港回数も少ない中で彼らが成し遂げていることは、信じられないほど素晴らしいことだ」

艦内の状況について質問されたオリヴィア・ウェールズ大統領報道官は記者団に対し、ヘグセス氏とドナルド・トランプ大統領は共に、アメリカ軍が確実に「アメリカに対するあらゆる脅威に対抗するため必要な資源を備えられる」よう尽力していると述べた。

スターズ・アンド・ストライプスによると、他の長期展開の際、海軍は兵士らの娯楽のために、ビンゴや美術教室、歌唱コンテストなどの企画を実施したという。

2025年1月に発表された水兵956人を対象とした調査によると、米海軍の艦艇に乗務する兵士は、米軍の他の部隊と比較して、「深刻な精神的苦痛」の発生率が最も高いことが判明した。

この研究では、「劣悪な居住環境、騒音、睡眠や休息のための十分な時間を確保できない過酷なスケジュールなど、特有のストレス要因」が挙げられている。

一方、米海軍協会(USNI)が発行している「USNIニュース」による軍事データの分析によると、自死は依然として米海軍と海兵隊における主要な死因となっている。また、退役軍人省によると、退役軍人の自殺率は軍隊に所属したことのないアメリカ人よりも高い。

(追加取材:チャイ・ピグリウッチ)