ロッテルダム銃撃 被害者はかつて容疑者について繰り返し通報か

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アナ・ホリガン(ロッテルダム)、マイケル・アートル(ロンドン)

A picture hung outside the home where the first shooting in Rotterdam took place shows the woman who was shot
画像説明, 射殺された女性の自宅前に掲げられた遺影

オランダの第2都市ロッテルダムで28日に起きた連続銃撃事件をめぐり、殺害された女性が警察に繰り返し、容疑者について通報していたことが分かった。近隣住民が29日、BBCに話した。検察当局がかねて、容疑者による「精神疾患を疑わせる異常行動」を把握していたことも、明らかになった。

事件ではロッテルダムの集合住宅前と医療センターの2カ所で銃撃事件が相次ぎ、少なくとも3人が死亡。警察は、「フアド・L」容疑者(32)を逮捕したと発表した。

容疑者は、同じ集合住宅の隣に住む住民とその娘、さらに自分が医学生として学ぶエラスムス大学付属の医療センターで43歳の男性講師を射殺した疑い。

現地当局は具体的な動機について言及していないが、犯行は無差別ではなく、容疑者は特定の被害者を狙ったものと思われると話している。

「フアド・L」容疑者は29日に予備審問のため初出廷した。罪状認否は来週、予定されている。

この集合住宅に住むロイさん(20)という男性はBBCに対して、被害に遭った家族はこれまで繰り返し警察に、容疑者の問題行動について通報していたのだと話した。

ロイさんによると、「(容疑者は)ウサギの死体を、家族の庭に投げ込んだこともあった」という。

通報のたびに警察はやって来たものの、「(容疑者は)いつでもカーテンを閉めきって、絶対にドアを開けなかった」のだとロイさんは言い、「これまで何度も彼を追い出す機会はあったのに。ここは公営住宅だ。もうとっくの昔に退去させるべきだった」と話した。

これに加えて、検察当局がかつて、今回の事件現場となったエラスムス医療センターに対して、容疑者による「懸念される行動」についてメールで知らせていたことも明らかになった。

検察は医療センターに対して、容疑者がかつて「庭に積まれた葉っぱの上で半裸で寝そべっていた」ことが見つかったなどをメールで知らせていた。医学生として学ぶ容疑者に医師免許を授与する検討する際の、判断材料として情報を提示したと思われる。

容疑者はこの検察のメールを自ら、オンライン・フォーラムに投稿し、教師たちが自分を「つぶそうとしている」と不満を書き込んでいた。

容疑者はその場で、自分はアルコール依存症で、医師になるための研修課程を終えられなかったのでくびになったのだとも書いていた。

オランダの公共放送NOSによると、検察はメールが本物だと認めている。

エラスムス医療センターのステファン・スレイフェル会長は声明で、検察からの警告は深刻に受け止めていたと述べた。

検察からの連絡を受けて医療センターは、学生だった「フアド・L」容疑者に心理テストを受けるよう指示したという。医療者として従事することに適した心理状態だとの認定がなければ、医師免許は授けないとも伝えたと、スレイフェル会長は明らかにした。

検察はかつて、動物虐待の疑いで容疑者を捜査したことがあり、その際にスマートフォンの内容を調べたところ、刃物で刺された人の画像や、極右過激主義に関連する画像が保存されているのを発見していたという。

オランダのマーク・ルッテ首相は事件発生後、「暴力の被害者となった人たち、その大切な人たち、恐ろしい思いをした人たちのことを思っています」とソーシャルメディアに書いた。

ロッテルダムのアフメド・アブタレブ市長は、「恐ろしい事件」はロッテルダムに「まっくらな1日」をもたらしたと述べた。

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調べによると、「フアド・L」容疑者は、同じ集合住宅に住む女性とその娘に発砲したのち、建物に放火した。14歳の娘は病院に搬送されたが、重傷のため死亡した。

警察は事件現場を黒いスクリーンで覆っているが、そこにはバラやヒマワリの花束が添えられている。

近所に住む前出のロイさんは、家族はほかの住民とも仲が良く、よく表でおしゃべりをしていたのだとBBCに話した。

「小さいころから知っていた女の子が死んでしまった。彼女の双子の姉妹、お姉さんと弟は、きょうだいと母親を失ってしまった」のだと、ロイさんは話した。

同じく近所に住むフランシスカさんは、自分の孫娘が、殺害された14歳少女やその姉妹と仲が良かったのだとして、「本当に悲しい。今でも信じられない」とBBCに話した。

被害に遭った家族のアパートの窓は内側から吹き飛ばされ、レンガは黒く焦げている。このことから、容疑者が起こした火事は、相当の威力だったことがうかがえる。

調べによると、容疑者はこの集合住宅で銃撃と放火の犯行を重ねた後、エラスムス医療センターへ向かい、43歳の男性講師を殺害した。

病院によると、被害者はユルゲン・ダーメンさん。「大勢に愛された教師」で、「ロッテルダムの教育界ではよく知られた人」だという。

容疑者は病院にも火を放ち、相当の被害を引き起こした。

動画説明, 銃撃事件の現場となったロッテルダムの建物から黒煙が立ち上った

医療センターは事件後、建物内での講義をキャンセルしたが、センター内での追悼を受け入れた。

29日朝には病院の外のカフェに複数のスタッフが集まり、ロッテルダムがギャングや麻薬取引につながりのある暴力の横行する場所として語られるのは不満だと、BBCに話した。