米刑務所から殺人犯が脱走、両腕両脚をつっぱり壁をよじ登る

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米ペンシルヴェニア州の刑務所から先月31日、殺人罪で服役中の男が脱走した。州警察は6日、脱獄の瞬間を捉えた監視カメラ映像を公開した。当時、監視塔にいた看守は7日午後、解雇された。
ブラジル人のダネロ・カヴァルカンテ受刑者(34)は先月31日、同州チェスター郡の刑務所から脱出して以降、 逃走を続けている。
公開された映像には、同受刑者が刑務所の通路の壁に両手をつき両腕を、もう片方の壁に両足をつけて両脚をそれぞれ突っ張らせ、体を地面と水平にして壁をじわじわよじ登る様子が映っている。2つの壁は1.5メートル離れている。
カヴァルカンテ受刑者は2021年4月、元恋人のデボラ・ブランダオ氏を、ブランダオ氏の幼い2人の子供の目の前で残酷に刺殺した罪で有罪となり、先月に終身刑を言い渡された。
この脱獄劇は、カヴァルカンテ受刑者の母国ブラジルでも大きな話題となった。同受刑者はブラジルで、2017年に起こした殺人事件で指名手配されている。
カヴァルカンテ受刑者は、自分に逮捕状が出ていることを知ったブランダオ氏から当局に通報すると脅され、同氏を殺害したと、捜査当局はみている。
「同じルート」で2度目の脱獄
チェスター郡刑務所では5月にも、別の受刑者が今回と同じ壁をよじ登って脱走している。
関係者によると、前回の脱獄を受け、かみそりの刃のついた鉄線が設置されていたというが、効果がなかったことは明らかだ。
ハワード・ホランド所長代理は記者会見で、5月19日にイーゴリ・ボルテ受刑者が脱獄した後、警備コンサルタントを雇ったと説明した。ボルテ受刑者は後に、ロッククライミングの知識を使って脱走したと警察に語っている。
ホランド氏によると、コンサルタントは「不十分な点を指摘」し、ほかの受刑者が同じ逃走ルートを使わないよう、かみそりの刃のついた鉄線が設置された。
しかし、カヴァルカンテ受刑者が「かみそりの刃のついた鉄線を伝って、壁をよじ登っていく」様子が監視カメラに映っていたと述べた。
「我々のセキュリティ対策は十分だと信じていたが、そうではなかったことが証明された。今後、セキュリティ対策の強化を迅速に進めていく」
カヴァルカンテ受刑者もボルテ受刑者も、屋根まで登り、はしごを使って刑務所内の警備が薄い場所へ移動していた。

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前回の脱獄から数カ月後に、なぜ同じようなことが起きたのかと問われると、ホランド所長代理は「かみそりの刃のついた鉄線を使い、こうした事態を防ぐ適切な処置を取れていると考えていた」と答えた。
ただ、物理的な障害物に焦点を当てていたものの、「人的要素」について対処できていなかったとも述べた。
5月に脱走したボルテ受刑者は、ビデオモニターで監視していた職員に見つかり、脱走から5分後に拘束された。
一方、カヴァルカンテ受刑者は先月31日午前9時に脱走したが、監視塔にいた看守は気がつかなかったという。
この職員は休職処分となり、州司法長官による調べを受けていたが、7日午後に解雇された。チェスター郡刑務所に18年勤務していたというが、身元は明らかにされていない。

画像提供, Chester County Prison

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捜索活動
カヴァルカンテ受刑者の行方を追う捜査当局は6日、ここ数日で数件の目撃情報が寄せられたとし、捜索範囲を拡大したと発表した。
ペンシルヴェニア州警察のジョージ・ビヴェンズ警視は記者団に対し、カヴァルカンテ受刑者は木が生い茂る地形を「移動するのに苦戦している」可能性があり、小屋やほかの建物に隠れているかもしれない」と述べた。
当局は4日、ヘリコプターとパトカーを使い、ブラジルにいるカヴァルカンテ受刑者の母親が録音した、息子に投降を求める音声メッセージを流し始めた。
捜索活動は2週目に入ったが、カヴァルカンテ受刑者は当局の目をかいくぐり逃走を続けている。これまでに8件の目撃情報が寄せられている。
7日夕、同容疑者が目撃されたとして、約80万平方メートルの広さがある人気の植物公園「ロングウッドガーデンズ」から人々が避難し、公園は閉鎖された。
「昨夜(7日夜)、ほかの機関や我々の機関(ペンシルヴェニア州警察)から追加の協力を得て、さらに人員を投入し、夜通し捜索した」と、ビヴェンズ警視は8日に述べた。
「現在、350人超から400人近い態勢でこの件に取り組んでいる」
チェスター郡刑務所はペンシルヴェニア州の最大都市フィラデルフィアの西約40キロに位置する。先月に終身刑を言い渡されたカヴァルカンテ受刑者は、収監施設に移送されるまでの間、一時的に同刑務所に収容されていた。
陪審員は先月、わずか15分間の審議を経て有罪評決を下した。
殺害されたブランダオ氏の7歳の娘と3歳の息子は現在、姉妹のサラ・ブランダオ氏に保護されている。
チェスター郡地区検事のデブ・ラヤン氏は7日、記者団に対し、ブランダオ一家は「震えあがって」おり、24時間体制で警察の保護下にあると述べた。
同受刑者の拘束につながる情報の提供者には、2万ドル(約300万円)の報奨金が提示されている。










