カナダで選挙活動中のトルドー首相に投石 選挙の争点はワクチン義務化

Justin Trudeau arrives at a campaign stop during his election campaign tour

画像提供, Reuters

画像説明, カナダのジャスティン・トルドー党首は、9月20日の総選挙に向けて各地を回っている
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カナダのジャスティン・トルドー首相が7日、選挙活動で訪れたオンタリオ州ロンドンで、石を投げられた。首相にけがはなかった。

トルドー首相は8月半ば、与党の左派・自由党で単独過半数を獲得するために解散・総選挙を発表した。この日は選挙活動の一環でロンドンのビール醸造所を訪ねたが、新型コロナウイルスのワクチン義務化をはじめとする諸政策に反対するデモに妨害された。その際、バスに戻ろうとしたところで、石を投げられたという。

CTVナショナル・ニュースによると、報道陣専用バスに乗っていた2人も石を投げられたが、けがはなかった。

事件後に飛行機の中で首相は、投げられた石は肩に当たったようだと説明。抗議者の行動は「受け入れられるものではまったくない」と話した。

「誰もが、暴力の脅威や危険にさらされながら仕事をするべきではない。しかし、政治集会以外でも、こうしたことは起きている」

また一連の抗議については、カナダ社会の「ごく一部の極端な人たち」の主張に屈することはないと語った。

首相の選挙活動は1週間前にも、激高するデモ隊が乱入したため、集会が中止になったばかり。

野党・保守党のエリン・オトゥール党首は、トルドー首相を襲った事件を「不愉快きわまりない」と批判した。

「政治的な暴力は絶対に正当化されないし、この国のメディアは脅迫や嫌がらせ、暴力から自由であるべきだ」

カナダではここ数週間、各地の州政治家や保健職員、レストランのオーナー、医療従事者などがハラスメント(嫌がらせ)を受ける事案が相次いでいる。

総選挙はワクチン義務化が焦点

カナダは世界でも特にワクチン接種率の高い国のひとつ。トルドー首相は9月20日の総選挙に先立ち、ワクチン義務化の方針を発表。これが選挙の最大争点となっている。

カナダでは全政党の党首が新型ウイルスのワクチン接種に賛成しているものの、その方針には相違がある。

連邦政府は8月、全公務員と、連邦政府が管理している鉄道などの職員全員について、10月末までにワクチンを接種しなければ職を失う可能性があると発表した。

また、旅客機やクルーザー、州をまたぐ鉄道の乗客も、移動の際にはワクチン接種が必須となる。

保守派は、ワクチン接種時に有給休暇を与えるなどの優遇措置が必要だと主張。ワクチンを接種していない労働者や旅行者には定期的な検査を行うべきだとしている。

激しさを増す抗議

カナダでは首相に対する抗議活動は珍しいものではなく、トルドー首相のほかにも歴代首相が様々形で、安全を脅かされてきた。

しかし、自由党の選挙を取材するメディアによると、トルドー氏を追跡する反ワクチン派の行動は、従来の政治家への抗議よりも粗暴で、絶え間なく続いているという。

BBCのマリアナ・スプリング偽情報専門記者は、カナダの反ワクチン活動は、攻撃的な戦術をトルドー首相に向けていると指摘。反ワクチン派の行動の過激化は世界的な潮流で、政治や医療の議論だけでなく、過激な陰謀論とも混ざり合い、ソーシャルメディア上でも現実世界でも暴力性を増していると、記者は話している。