ボリビアの上院副議長、暫定大統領就任を宣言 憲法裁が承認

画像提供, Reuters
南米ボリビアで12日、エボ・モラレス前大統領の辞任を受け、ヘアニネ・アニェス上院副議長が暫定大統領への就任を議会で宣言した。モラレス氏は、10月の大統領選での不正疑惑をめぐる批判が高まったため、メキシコに亡命した。
ボリビアの憲法では、大統領不在の場合は副大統領、上下院議長の順で代行することが定められている。
アルバロ・ガルシア・リネラ副大統領とアドリアナ・サルバティエラ上院議長、ヴィクトル・ボルダ下院議長が全員辞任したことから、アニェス氏は、憲法に基づき、暫定大統領に就任するのは自分だと主張。早急に新たな選挙を実施すると誓った。
アニェス氏は「大統領と副大統領が完全に不在となっていることから(中略)憲法の規定で予測されている通り、上院副議長として、私は直ちに暫定大統領に就任する」と述べ、反モラレス派の議員は拍手で歓迎した。
同国の憲法裁判所も、アニェス氏の暫定大統領就任を承認した。
モラレス派議員がボイコット
しかし、議会の過半数を占めるモラレス前大統領が率いた社会主義運動党(MAS)の議員がボイコットしたため、暫定大統領の承認に必要な定足数には満たなかった。
この日、自分の命が危険にさらされているとしてメキシコへと亡命したモラレス氏は、アニェス氏は「クーデターを利用した右派上院議員」だとして、暫定大統領への就任宣言を非難。辞任に追い込まれたことは「史上最も卑怯で、最も非道なクーデター」だとツイートした。

画像提供, Getty Images
10月20日に実施されたボリビア大統領選をめぐっては、開票結果が不正に操作されたとして、抗議デモが拡大。モラレス氏は今月10日に辞任した。「これ以上血を流すことがないように」するためだったとしている。
メキシコへ亡命
行政上の首都であるラパスでは、モラレス氏支持者と治安部隊が衝突。モラレス氏は12日、メキシコへと亡命した。
首都メキシコシティ到着後、モラレス氏は自分の命を救ってくれたとして、メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール大統領に謝意を伝えた。
「命ある限り、私は政界に留まるだろう。戦いは続く。世界中のすべての人々に、差別や屈辱的な行為から解放される権利がある」
<関連記事>
モラレス氏辞任の背景
10月の大統領選当日の夜、集計作業が不可解なことに24時間にわたり中断された。
当初はモラレス大統領と2位の中道カルロス・メサ元大統領との差は、当選条件の10ポイント以下だったが、最終的にモラレス大統領は10ポイントをぎりぎり上回り当選した。
そのため、開票結果が不正に操作されたとして、モラレス氏への圧力が高まった。

画像提供, AFP
開票結果を不正操作と
北米・中米・南米諸国の協力促進を目的とする米州機構(OAS)が10日、大統領選で「明らかな不正操作」があったことが判明したとして、開票結果の無効を求めたことで、事態が動いた。
モラレス氏はOASの訴えを認め、選挙管理機関を徹底的に見直したうえで、選挙をやり直すと発表した。
しかし、大統領選2位の中道カルロス・メサ元大統領は、モラレス氏はやり直し選挙に出馬すべきではないと述べた。
軍幹部も辞任を要求
ボリビア軍のウィリアムズ・カリマン最高司令官もまた、「事態の鎮圧と安定維持のために」辞任するようモラレス氏に求めた。
モラレス氏は、社会主義の指導者が「嫌がらせや迫害、脅迫」を受けるのを止めるために辞任の決断を下したと述べ、デモ隊に対し「兄弟や姉妹への攻撃や、火をつけるなどの行為をやめる」よう求めた。

画像提供, Reuters
モラレス氏とは
2006年に初当選したモラレス氏は、コカ栽培農家出身で、ボリビア初の先住民出身の大統領。
貧困問題に向き合い、ボリビア経済を改善したことで称賛を得てきた。
ボリビアの憲法裁判所が大統領任期の上限を廃止し、物議を醸す中で行われた先月の大統領選で、連続4期目の当選を果たした。
2016年の国民投票では、過半数が大統領任期の制限引き下げに反対していた。しかし、MASが任期の制限は人権違反だと訴え、憲法裁判所は任期の上限を廃止した。







