セルビア議会選挙、中道右派の与党圧勝と大統領

議会選の開票速報に喜ぶセルビアのヴチッチ大統領(17日、ベオグラード)

画像提供, Reuters/Zorana Jevtic

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セルビアで17日、議会選の投開票があり、アレクサンダル・ヴチッチ大統領は政権与党が議会で圧倒多数の議席を得る見通しだと述べた。野党連合は、首都ベオグラードの市議会で議席増を期待している。

ヴチッチ大統領は11月1日、国民議会(一院制、定数250)を解散し、前倒し選挙の実施を発表した。開票速報によると、17日の選挙では、中道右派の与党「セルビア進歩党(SNS)」が得票率47%に迫る勢いとなっている。

「暴力への反対」を掲げて結集した野党連合は、得票率23.1%にとどまる見通し。

全国の投票率は推定59.1%。

ヴチッチ大統領は、SNSが127議席を確保する見通しだと宣言。自分自身は改選対象ではなかったものの、「(与党が)絶対多数を確保するため全力を尽くすことが、自分の仕事だった」と支持者たちに述べた。

アナ・ブルナビッチ首相は、複数の投票所で不規則な事態が見受けられたと非政府組織の監視団が報告していることについて、「カオスとパニックと不信感の空気を作ろうとしているだけ」と一蹴した。

選挙監視団CRTAは、隣国ボスニア・ヘルツェゴヴィナから大勢がバスでベオグラードの投票所まで送り込まれていたと指摘。複数の投票所で、投票用紙に細工しようとする動きもあったとしている。

野党は、与党が選挙活動に公的リソースを流用していると批判。選挙手続きが「汚い」と反発している。

与党SNSは2012年以来、政権を担っている。過去3年間で議会選は3回目になる。今回は地方選も同時に行われた。

「暴力に反対するセルビア」野党連合(SPN)は、今年5月に首都ベオグラードの学校と首都近郊の村で銃撃事件が相次いだ影響で、結成された。5月3日と4日に相次いだ乱射事件では計19人が死亡し、首都では数万人が集まり銃暴力に抗議した。事件への抗議は、ヴチッチ大統領と与党SNSへの抗議へと発展した。

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セルビアは欧州で最も銃所持率が高い。2018年の調査によると、100人当たり39丁の銃が存在し、その大部分は無許可だとされる。

野党勢力は、与党と政府寄りメディアが暴力的な表現を推進していることが、銃撃事件に影響したと主張した。

国民議会選では与党が勝利する見通しだが、野党はベオグラード市議会では自分たちが議席を伸ばせるのではないかと期待を残している。セルビアの有権者の約25%はベオグラード在住のため、首都で与党の議席が減れば、野党はそれを勝利とみなすことができる。

Kosovo ethnic Serbs queue at the Kosovo-Serbia border crossing in Merdare, Kosovo December 17

画像提供, REUTERS/Valdrin Xhemaj

画像説明, コソヴォから国境を越えてセルビアの投票所に向かうセルビア系住民(17日、コソヴォ・メルダレ)

セルビアは欧州連合(EU)の加盟候補国。ヴチッチ大統領は、EUだけでなくアメリカからも、コソヴォとの関係改善を強く求められている。

セルビアとコソヴォはいずれも、旧ユーゴスラビア社会主義連邦共和国を構成していた。セルビアは2006年に独立を宣言し、コソヴォは2008年にセルビアからの独立を宣言した。米英など100カ国以上の国連加盟国がコソヴォの独立を承認しているが、セルビアはコソヴォ独立を認めていない。ロシアと中国のほか、スペイン、スロヴァキア、キプロス、ルーマニア、ギリシャのEU加盟5カ国も、コソヴォの独立を認めていない。

コソヴォには約9万5000人のセルビア系住民が暮らし、今回の選挙ではその一部が国境を越えてセルビアで投票した。