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職場で「自分が望まない」誕生日会、パニック発作に 元従業員が賠償金5700万円の勝訴
米ケンタッキー州の男性が、自分が望まない誕生日のサプライズパーティーを職場で開かれたためパニック発作が起きたとして訴訟を起こし、勝訴した。会社側は、総額45万ドル(約5700万円)の賠償金の支払いを命じられた。
訴えを起こしたのは、ケンタッキー州在住のケヴィン・バーリングさん。勤務先の医療検査会社グラヴィティ・ダイアグノスティックス社で2019年、自分が望んでいない誕生日のサプライズパーティーを開かれ、パニック発作が相次いで起きたと主張。また、同社が障害を理由に差別行為をとったとした。
バーリングさんは事前に、ストレスや不安を誘発する恐れがあるとして、誕生日のパーティーは開かないよう会社側に伝えていたという。
会社側は、精神的苦痛に対して30万ドル(約3800万円)、不当解雇による逸失利益に対して15万ドル(約1900万円)と、総額45万ドル(約5700万円)の賠償金の支払いを命じられた。
グラヴィティ・ダイアグノスティックス社は、不正行為は一切なかったと主張している。
何があったのか
ケンタッキー州ケントン郡の裁判所に提出された訴状によると、不安障害を患うバーリングさんは、パニック発作を引き起こしたり幼少期の不快な記憶がよみがえる恐れがあるとして、自分の誕生日を祝わないよう上司に頼んでいた。勤務先では、従業員の誕生日を祝う習慣があるという。
しかし、こうした要望にも関わらず、同社は2019年8月7日にサプライズで誕生日パーティーを開催。バーリングさんのパニック発作を引き起こしたという。バーリングさんはすぐにパーティーを抜け出し、車の中で昼食を済ませた。
訴状によると、バーリングさんは翌日の会議で、「同僚たちの喜びを奪った」、「小娘のようだ」と非難された。この緊迫した会議が2度目のパニック発作につながり、この日と翌9日は自宅待機となった。
会社側は同月11日、職場の安全面に懸念があるとしてバーリングさんを解雇した。バーリングさんは訴状で、会社側が障害を理由に自分を差別し、誕生日パーティーを開かないでほしいという要望を出したことに対して不当な報復を行ったと主張した。
会社の主張は
BBCは、グラヴィティ・ダイアグノスティックス社と同社の代理人弁護士にコメントを求めた。
同社のジュリー・ブラジル最高執行責任者(COO)は地元の報道機関「Link NKY」に対し、バーリング氏が「職場での暴力行為に関する方針」に違反したと主張。同社は解雇の決定を支持していると述べた。
ブラジル氏は「わが社の従業員たちはこの裁判の原告ではなく被害者だ」とし、同社は控訴を検討していると付け加えた。
同氏の弁護士、トニー・ブチャー氏はBBCに対し、バーリング氏が社内の誰かにとって危険だった事実はなく、解雇を正当化する「証拠は全くない」と述べた。
「彼はパニック発作を起こした。それだけだ。グラヴィティ・ダイアグノスティックスの代表者たちが彼のパニック反応を理解せず、その様子に動揺したため、彼のことを危険だと思い込んだ」のだと、ブチャー氏は述べた。「暴力的な行動の証拠なしに、メンタルヘルスの問題を抱える人々を危険だと決めつけるのは差別的だ」。
全米精神障害者家族会連合会のデータによると、アメリカでは人口の2割近くにあたる4000万人以上が不安障害を患っている。