アンネ・フランク一家を「裏切った人物」名指しの本、出版社が謝罪

画像提供, Ann Frank Museum
オランダの出版社は1月31日、「アンネの日記」で知られるアンネ・フランクさんとその家族の居場所をナチス・ドイツに密告した人物を特定する本を出版したことを謝罪した。この本をめぐっては、出版後に批判の声が多くあがっていた。
密告者に関する調査は、アメリカ連邦捜査局(FBI)の元捜査官が行ったもの。調査結果は1月18日に出版された「The Betrayal of Anne Frank」(アンネ・フランクへの裏切り)にまとめられている。
ユダヤ系のアンネさんは第2次世界大戦中、ナチスから逃れて2年もの間、オランダ・アムステルダムの隠れ家で生活していた。しかし1945年、15歳の時にナチスに見つかり、ベルゲン・ベルゼン強制収容所で病死した。
潜伏生活の様子をつづった日記は「アンネの日記」の題で死後発表され、戦時中のユダヤ人の生活を知る一次史料として世界的に有名となった。「アンネの日記」は世界約70カ国の言語に翻訳されている。
BBCはオランダの出版社アンボ・アントスにコメントを求めるとともに、本の著者と英語版出版社にも連絡を試みた。
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調査にはFBI元捜査官のほか、歴史学者など各分野の専門家も参加した。AI技術などの現代の調査技術を駆使し、6年をかけてこの「未解決事件」の解明に当たった。
しかし本が出版されると、多くの人から批判が上がった。スイスを拠点とするアンネ・フランク基金は、この調査は「間違いだらけ」だとスイスの報道機関に述べた。
批判を受け、本を出版したアンボ・アントス社はこの本の著者でカナダ人のローズマリー・サリヴァン氏に宛てたメールで、同社はこの本に対してもっと「厳密に精査する姿勢」をとるべきだったと書いた。
「当社は浮上した疑問に対する研究者からの回答を待ち、増刷についての決定を保留する」
「この本で不快な思いをされた方に心からお詫び申し上げる」
オランダの公共放送NOSによると、調査員の1人のピーター・ファン・トウィスク氏は出版社のメールに当惑しており、出版社が本の評判についてどう感じているかは知らなかったと述べた。
また、調査チームが完全な真実を明らかにしたと主張したことは1度もなく、チームの仮説が「少なくとも85%の確率で」真実だろうと認識しているとした。そして、自分たちの研究が先行研究の空白を埋める一助になることを願っていると述べたという。








