You’re viewing a text-only version of this website that uses less data. View the main version of the website including all images and videos.
カザフスタンで反政府デモが拡大 「数十人が死亡」と治安当局
中央アジア・カザフスタンで、年明けから反政府デモが拡大している。治安当局は6日、最大都市アルマトイで秩序回復のための作戦を実行し、反政府の暴徒数十人が死亡したと明らかにした。
カザフスタンでは、多くの人が車の燃料として使っている液化石油ガス(LPG)の急激な値上がりを背景に、2日から国内各地で大規模な反政府デモが続いている。デモ参加者らは、他の政治的な問題についても不満の声を上げている。デモの拡大を受け、カザフスタン全土に非常事態宣言が出されている。
アルマトイの警察の報道官は6日、抗議行動者らが警察の建物を制圧しようとし、治安部隊が出動したと説明した。その際、数十人の攻撃的な人々を「抹殺した」とした。
報道官はさらに、「対テロリスト」作戦が同日、市内のビル3カ所で続けられているとし、市民らに一時的に家にとどまるよう呼びかけた。また、暴徒が武器を奪ったと述べた。
報道によると、この混乱による負傷者は約1000人に上っている。400人近くが病院で治療を受けており、62人が集中治療室に運ばれている。
これまでに、治安部隊の8人も死亡したとされる。
ロシアが部隊派遣へ
カシム=ジョマルト・トカエフ大統領は4日、内閣の総辞職を命じ、燃料費を元に戻すと表明。しかし、デモは鎮静化していない。
6日には、ロシア主導の軍事同盟が、カザフスタンの「安定化」のために部隊を派遣することが明らかになった。
トカエフ大統領は6日未明のテレビ演説で、ロシアと旧ソビエト連邦の構成国5カ国でつくる軍事同盟、集団安全保障条約機構(CSTO)に、支援を要請したことを明らかにした。
CSTOの議長国アルメニアのニコル・パシニャン首相は5日夜、CSTOの平和維持部隊を「限られた期間」派遣する予定だと、フェイスブックで声明を出した。CSTOはロシア、カザフスタン、アルメニア、ベラルーシ、タジキスタン、キルギスタンで構成する。
トカエフ氏は反政府デモの混乱について、外国で訓練を受けた「テロリスト集団」の工作だと主張。厳しい姿勢で臨むと公言している。
一方、中央アジア専門家は別の見方を示している。ロンドンのシンクタンク、王立国際問題研究所(チャタム・ハウス)のケイト・マリンソン氏は、「カザフスタン政府が国の近代化と、国民全員に影響が及ぶ改革を実施できなかったことに対し、人々の間に根深い怒りが高まっていることの表れだ」と述べた。
怒りの矛先は前大統領にも
カザフスタンは1991年に独立を宣言した。大統領はトカエフ氏でまだ2代目。2019年の大統領選は欧州安全保障協力機構(OSCE)から、民主主義の基準がほとんど尊重されていないとして批判された。
反体制の動きや抗議デモは、カザフスタンではまれだ。ただ、2011年には南西部のジャナオゼン市で給料や労働条件をめぐる抗議行動が起こり、警察の弾圧で少なくとも労働者14人が死亡した。
現在のデモ参加者らの怒りの大部分は、ヌルスルタン・ナザルバエフ前大統領に向けられているとみられる。ナザルバエフ氏は退任後も、安全保障会議の議長として権力を握り続けてきた。同氏は5日、混乱の鎮静化のため議長を解任された。
デモ参加者らは、ナザルバエフ氏の名前を唱えていた。人々は同氏の巨大銅像を引き倒そうとし、その様子を撮影した動画はオンラインで拡散された。BBCモニタリングはこの銅像につて、ナザルバエフ氏の地元に立っていたものとみられるとしている。
インターネットが切断
カザフスタン最大の空港では、反政府デモが迫って来たのを受け、職員らが逃げ出した。デモ参加者らは、政府関連の建物でも抗議を繰り広げている。
アルマトイの市長庁舎にも5日、抗議行動者が集まり、庁舎内になだれ込んだ。ソーシャルメディアの投稿動画では、庁舎から煙が上がっている状況が確認でき、銃声も聞こえる。
同市の警察トップは、「過激派」が一般市民500人を襲い、数百の商店を荒らしたと述べた。
西部アクトベ市では、デモ参加者らに対し放水銃が使われた。場所によっては、治安部隊がデモ参加者側に立っているとの報道もある。
だが、カザフスタンで何が起きているのかははっきりしない。国内ではインターネットが4日から切断されている。インターネット監視団体ネットブロックスは、「全国規模のインターネット管制」がなされているとしている。