EUの科学者トップが辞任 新型ウイルス対策で内紛

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欧州連合(EU)の研究開発を助成する欧州研究評議会(ERC)のマウロ・フェラーリ議長が、就任から3カ月で辞職した。新型コロナウイルス対策に特化した活動ができず、ERCへの信頼を失ったと述べた。
一方、ERCはフェラーリ氏の辞任について、記名式の不信任投票で全員一致で不信任とした結果だと説明。フェラーリ氏の談話は残念だとした。
ERCは声明で、「フェラーリ教授は多数の重要な会議に出ず、アメリカで多くの時間を過ごし、ERCを代表する立場なのにERCの取り組みや使命を擁護しないなど、ERCに十分に関わったとは言えない」とした。
ERCはまた、広範な新型ウイルス対策に取り組んでいると主張した。
欧州議会の議員の1人はかつてフェラーリ氏について、「見せかけの広報活動」をしていると批判していた。
欧州委員会に直訴
フェラーリ氏はイタリアとアメリカの国籍をもつ科学者で、ナノ医療の先端研究で知られる。研究の本拠地はアメリカに置いてきた。
同氏によると、新型ウイルスの世界的流行(パンデミック)を受け、新型ウイルスの感染症COVID-19対策の特別プログラムを推進しようとした。世界最高レベルの科学者が新しい薬やワクチン、診断用具、科学に基づいた行動面での戦略を開発するなど、「政治指導者のその場の直感に代わる」ものを目指したという。
しかしその提案はERCの執行機関に全員一致で反対されたと、フェラーリ氏は話した。ERCは研究者らが提案する研究を助成するのが役割だと言われたという。
その後フェラーリ氏は、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長に直接働きかけた。それが「内部の政治的な嵐を引き起こし」たという。

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「この時期に恥ずべきこと」
フェラーリ氏は8日、BBCの番組ニューズアワーで辞任について、現在の危機で必要な戦略をめぐる「非常に大きな見解の不一致」が原因だと述べた。他の仕事がERC議長の職務を果たすうえで妨げとなったとの見方は否定した。
EUはCOVID-19対策において、足並みをそろえるのにしばしば苦労している。加盟国の財務相らは8日、新型ウイルスの影響が大きい欧州南部の支援をめぐる協議を中断した。9日に再開される予定だ。
BBCのカティヤ・アドラー欧州編集長は、「フェラーリ教授の個人的な野心が、EUの重くて動きの悪い構造と衝突したのかもしれない。欧州とアメリカ、世界で、コロナウイルスから人々を守るために全員の協力が必要なときに、極めて恥ずべきことだ」と指摘した。


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