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イラクに住んだことのないイラク人男性、アメリカから追放後に死亡
子供の時にアメリカに移住し、ミシガン州デトロイトで一生を過ごしたイラク人男性が、イラクへ国外追放された後に死亡した。ジミー・アルダウドさん(41)の弁護士を務めるエドワード・バジョカ氏がBBCに話したところによると、アルダウドさんは糖尿病を患っていたが、イラクでインスリンを手に入れられなかったという。
アルダウドさんはイラク国籍だが一度もイラクに行ったことがなく、アラビア語も話せなかった。
アルダウドさんは6月、アメリカ政府が行った犯罪歴のあるイラク人の一斉検挙で拘束され、イラクに追放された。バジョカ弁護士は、アルダウドさんは治安を乱す行為と強盗で有罪判決を受けていたと説明した。
米移民関税捜査局(ICE)は、アルダウドさんは過去20年にわたり、危険な武器による暴行や、家庭内暴力(DV)、家宅侵入などで有罪判決を20回受けていたとしている。
また、アルダウドさんはICEの拘束を伴わない監視プログラムから逃亡し、4カ月にわたって逃走し、盗難の疑いで再逮捕されたという。さらに、イラクへ追放される前に「治療継続に十分な量の薬」を提供されていたとしている。
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バジョカ弁護士によると、アルダウドさんはギリシャで生まれ、子供の時に家族と共にアメリカに移住した。
トランプ政権は2017年6月、犯罪歴のあるイラク人1000人以上の強制送還に乗り出した。移民当局はアメリカ全土で一斉にカルデア典礼カトリック教徒のイラク人を検挙し、この中にアルダウドさんも含まれていた。
人権擁護団体によると、イラクではカルデア典礼カトリック教徒は過激派勢力「IS(イスラム国)」に攻撃される危険があるという。
イラクで撮影された動画で、アルダウドさんは国外追放と糖尿病との闘いについて話している。この中でアルダウドさんは、治療のためのインスリンはなく、「道路に寝て」おり、食べ物もないと訴えた。
また、移民当局の対応については「私は『お願いです。イラクには行ったこともなければ見たこともないのです』と訴えたのに、無理やり追放された」と語った。この動画は、ソーシャルメディアで広く拡散された。
バジョカ弁護士は、「アルダウドさんの追放は特に残酷だった」と話した。
「糖尿病をわずらっているのに、インスリンや薬を持たせずに追放した。本人にも家族にも警告せずに捕まえ、収監し、数週間後には飛行機に乗せられていた」
人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは、アルダウドさんの死は「ショッキングなものだが、アメリカの残酷な移民政策の結果として予想範囲のことだった」と指摘した。
デトロイトに住むアルダウドさんの家族は、法的手段を検討しているという。
「防げるはずだった、防ぐべきだった死」
アメリカ自由人権協会(ACLU)はBBCの取材に対し、イラクではインスリンが入手しづらいことがアルダウドさんの死の一因だと話した。
ACLUのミリアム・オーカーマン氏は、「アルダウドさんの氏に、家族も私たちも憔悴(しょうすい)している。追放されれば生き延びられないと分かっていた。一方で、ICEがどれだけの人を死なせようとしているのかは、見当もつかない」
アンディー・レヴィン下院議員(ミシガン州選出、民主党)はツイッターで、「命が危険にさらされる」と分かっていたなら、アルダウドさんをイラクに送るべきではなかったと批判。アルダウドさんにとってイラクへの追放は死刑にも等しく、「防げるはずだった、防ぐべきだった死」だと述べた。
「こうした弱い立場にある人の強制送還をやめるよう、共和党の同僚議員たちと一緒になって行政府に呼びかけてきた。そして今、1人の命が失われた。我々はもう1日も待つわけにはいかない」