プーチン氏、ゼレンスキー氏との会談は「意味がない」 戦争終結のための対面協議を拒否

ダークスーツ姿のプーチン氏が、左手の人差し指を上げ、マイクに向かって話している

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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は5日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談することに何の意味も見いだせないと述べた。ゼレンスキー氏は前日、両国の戦争終結のためにプーチン氏に直接会談を呼びかけたことを明らかにしていた。こうした中、ウクライナは5日、アゾフ海と、ロシアが占領する地域の沖合で、盗んだウクライナ産穀物などを運搬していたとして、船舶5隻をドローン攻撃したと発表した。

ゼレンスキー氏は4日、プーチン氏に宛てた公開書簡を発表。その中でゼレンスキー氏は、2022年2月にロシアがウクライナに全面侵攻したことで始まった両国間の戦争が再びアメリカの重要関心事になるのを「ただ待つのは誤り」だと主張。和平は、ウクライナとロシアの「直接対話を通じて」のみ実現し得るとした。

ゼレンスキー氏はまた、提案した交渉の期間中の全面停戦を求めた。書簡は挑戦的で、あざけりすら感じさせる調子で書かれていた。

プーチン氏は「無礼な」書簡だとし、会談要請を拒否した。そのうえで、いかなる停戦よりも先に和平協議が行われるべきだとの自身の立場を改めて示した。

戦争終結は「ロシアの目標達成後」

プーチン氏はこの日、サンクトペテルブルクで開かれたロシアの年次経済フォーラムで演説。ゼレンスキー氏からの直接会談の提案を受け入れるかと問われると、「今のところ、何の意味も見いだせない」と答えた。

さらに、「それ(提案)は対面会談の条件を整えるための手段だったのか、それとも対面会談を設定しないための手段だったのか。私は後者だと思う」と語った。

プーチン氏の反応を受け、ゼレンスキー氏はロシアが「またしても戦争を選んだ」と述べた。

「彼(プーチン氏)はとにかくこの戦争を終わらせたくない。世界中の多くの人がこの答えに失望したはずだ」と、ゼレンスキー氏は、メッセージアプリ「テレグラム」に投稿した。

プーチン氏はゼレンスキー氏の書簡に言及する中で、停戦はウクライナに再編の機会を与えるだけだとする自身の立場を改めて示した。ロシアがウクライナに求めている譲歩はいまだ実現していない。

「ウクライナ側にとって唯一の狙いは、我々の部隊の前進を止めることだ。だが、我々に必要なのは合意だ。それも、半年や3カ月ではなく、長期的な合意が必要だ」と、プーチン氏は述べた。

「専門家たちに仕事をさせ、いくつかの解決策を提案させよう。我々が会うのはそれからだ」

プーチン氏は、ロシアの目標が達成された時にのみ、戦争を終結させるとも述べた。

「軍事行動はいつか終わるだろうと、我々は考えている。我々が自らに課した目標を達成すれば、間違いなく終わるだろう」

プーチン氏の長年の立場は、ロシアが部分的に占領しているウクライナのドネツク、ルハンシク、ヘルソン、ザポリッジャの4州からウクライナが撤退し、北大西洋条約機構(NATO)への加盟もウクライナは断念すべきだというものだ。

ウクライナは、自国領土の割譲はしないとしている。ロシアがクリミアを違法に併合して8年後の2022年に全面戦争を開始したように、もし領土を奪われるのを認めれば、再びロシアを侵攻に積極的にさせるとしている。

ウクライナでロシア軍が占領している地域を示した図。東部から東南部にかけてロシア軍が占領している。2014年にロシアが一方的に併合したクリミアも含まれている。出典は米戦争研究所とアメリカン・エンタープライズ研究所の「重大脅威プロジェクト」(日本時間5月29日午前6時時点)

書簡の中で、ゼレンスキー氏はプーチン氏について、「26年間の権力維持の末、年齢の影響が出始めている」と書いた。

また、ウクライナが3日に仕掛けたロシア・サンクトペテルブルク郊外へのドローン攻撃について「訪問」と表現するなど、ウクライナによる最近のロシア領内への攻撃にも言及した。

これに対しプーチン氏は、書簡に「かなり無礼な発言がいくつか」含まれていたと述べた。

ゼレンスキー氏の書簡の内容に、米政権など一部では、ロシアとウクライナの和平への期待が高まった。

ドナルド・トランプ米大統領は、ロシアとウクライナの首脳が会えば「素晴らしいことになる」と述べた。

ロシア占領地域沖でウクライナがドローン攻撃

こうした中、ウクライナは5日、アゾフ海と、ロシアが占領する地域の沖合で、違法な積荷を運ぶ計5隻の船舶を攻撃したと発表した。

ウクライナ軍のドローン部隊を率いるロベルト・ブロウディ司令官は、これらの船舶がウクライナ産穀物を「盗み」、燃料や軍需品を輸送することに関わっていたと説明した。

ブロウディ氏によると、ウクライナ・マリウポリ港、ベルジャンスク港、ウクライナが「一時的に占領された地域」と呼ぶロシア支配下のウクライナ地域沖で、「不法に漂泊していた船舶」5隻を夜間に攻撃したという。

それら5隻の貨物船やタンカーなどは、船名が塗りつぶされ、レーダーがオフになっていたという。「ウクライナの穀物をひそかに盗み」、「軍事貨物や燃料を輸送」することを目的としていたと、ブロウディ氏は指摘した。

ブロウディ氏は死者が出たのかは言及しなかった。

アゼルバイジャン外務省は、アゾフ海での船舶2隻への攻撃で、5人が死亡したと発表した。誰による攻撃とみているのかは示さなかった。攻撃を受けたのは「ナストラ」号と「シルコン」号だとし、いずれもアゼルバイジャンの船ではないとした。

大きな灰色の煙が立ち上る港を俯瞰で撮影した写真。近くには船やクレーンなどが見える

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画像説明, ウクライナは5日、ルーマニア沖でウクライナのドローン1機が爆発したと認めた

一方、ルーマニアの黒海沿岸にあるコンスタンツァ港では、ウクライナが運用するドローン1機が爆発した。ウクライナ側は、ロシアによる電子妨害によってドローンの進路が外れたと説明した。爆発による負傷者は報告されていない。

ルーマニア国防省によると、ドローンは石油ターミナル近くで自爆した。船舶1隻と複数の倉庫に相当な被害が出たという。

コンスタンツァ県のアドリアン・テオドール・ピコイウ知事は、ルーマニアのニュースウェブサイト「G4Media」に対し、「ウクライナ側からの情報」だとして、爆発したのは、5機のドローン・グループの1機で、2機目はウクライナ国内で爆発したと語った。

残る3機の行方は不明だが、当局はこれ以上の危険はないとしている。ドローンがルーマニア領海内に飛来した理由については、説明はなされていない。

ロシア側はこれまでのところコメントしていない。

青と白の外壁の二階建ての建物から、黒煙が上っている。一部の壁は壊れ、建物の中に炎が見える。建物の前では白い車が燃えている

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画像説明, ウクライナの非常事態庁は、ロシアの攻撃を受けたキーウ郊外の乳製品工場の写真を公開した

ウクライナ当局によると、過去24時間にロシアがウクライナに対して行った一連の攻撃で、少なくとも13人が死亡、70人が負傷した。

うち4人は、キーウ郊外の乳製品工場への攻撃で死亡した。南部ヘルソンではガソリンスタンドへのドローン攻撃で35歳の女性が死亡した。