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盗まれたゴッホ作品、イケアの袋に入れられ返される オランダ
2020年にオランダの美術館から盗まれたフィンセント・ファン・ゴッホの絵画が、3年半ぶりに発見され、安全な場所へと移された。
この絵画の捜索に関わっていた美術探偵のアルトゥル・ブランド氏によると、とある男性が同氏の自宅を訪ねて来て、枕カバーに入れられ、さらに家具量販店イケアの青い袋に入った状態の絵画を手渡したという。
「私はオランダ警察と全面的に協力していたので、この人物が盗難に関わっていないことは知っていた」と、ブランド氏は説明した。
この盗難をめぐっては2021年、プロの窃盗犯が有罪となり、8年の禁錮刑を受けた。しかし、盗まれた絵画はすでに他のところに移されていた。
取り戻されたのは、ゴッホが1884年に描いた「春のヌエネンの牧師館の庭」。2020年3月、アムステルダムの南東郊にあるラーレンの、シンガー・ラーレン美術館から盗まれた。同美術館は、フローニンゲン美術館からこの作品を貸与されていたが、盗難時は新型コロナウイルスの流行を受けたロックダウンで休館中だった。
フローニンゲン美術館は、絵画が戻ってきたことは「素晴らしいニュース」だと称賛している。
この事件では、ラーレン在住でフランス出身のニルス・M受刑者(59)が、窃盗で有罪となった。同受刑者はユトレヒトに近いリールダムの美術館からも、17世紀のオランダ人画家フランス・ハルスの絵画を盗んでいた。どちらの現場からも、同受刑者のDNAが検出された。
警察が傍受した通信によると、「春の庭」とも呼ばれるこの作品は犯罪組織が入手。刑期を短縮する交渉材料にしようとしていたという。
誕生日パーティーで
この作品の捜索でオランダ警察に協力していたブランド氏はBBCに対し、こうした絵画には誰も手を出したがらないので、裏社会でさまざまなグループの手に渡ると知っていたと話した。
また2020年6月には、この絵画の「生存証明」として、絵画と日付の分かる新聞が並べられた写真がブランド氏に送られてきたと説明。
同氏は最終的に、アムステルダムのある男性から、秘密を完全に守るという条件で絵を返すと持ちかけられたという。その人物は、この絵画を持ち続けることに悩んでいたという。
「私はその時、誕生日パーティーに出席していたが、男性は木の下で待っていた。そしてなぜ返したいのか説明した」
「春の庭」は11日午後にブランド氏に手渡された。近くのバーではフローニンゲン美術館の館長が待ち構え、絵画が本物か見極めた。
絵画は枕カバーで保護されていたが、男性が絵を回収する際に指を切ったため、枕カバーは血まみれだったという。
オランダ警察の美術犯罪ユニットは、返還された絵画が本物だと確認。フローニンゲン美術館のアンドレアス・ブリュム館長も、その無事を歓迎した。
「絵画には傷があったが(中略)紙に描かれていて、パネルに接着されているから安定している。修復すれば大丈夫だろう」と、ブリュム館長はBBCニューズアワーで語った。
「春の庭」は現在、ファン・ゴッホ美術館で修復を待っている。再び展示されるには数週間から数カ月かかるという。
ブリュム館長は、今回の件がトラウマになったため、「春の庭」を貸与には出さないと話している。