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ジョンソン英首相、移民を「連れ戻す」ようフランスに要求
ダグ・フォークナー、BBCニュース
イギリスのボリス・ジョンソン首相は25日、フランスに対し、英仏海峡を渡ってイギリスに来る人たちを「連れ戻す」ことに同意するよう求めた。
ジョンソン首相はフランスのエマニュエル・マクロン大統領に書簡を送り、英仏海峡で27人が死亡した24日の悲劇が繰り返されないよう、「さらに本格的かつ迅速に動く」ための5つのステップを提示したと述べた。
そして、英仏海峡を渡る人を対象とした返還協定について、「直ちに多大な効果」を発揮するだろうと話した。
これに先立ち政府関係者は、英仏両国の首脳が「前向きな」会談をしたと述べた。
5つのステップを提示
英仏海峡で24日に確認された遭難事故では、男性17人、女性7人(うち1人は妊婦)、子ども3人が溺死した。同海峡における死者数としては、記録が残る中で最多となった。
ジョンソン氏は、以下の5つのステップを提示したとツイートした。
- フランス沿岸からボートが出発するのを防ぐため、共同パトロールを実施する
- センサーやレーダーなど、より進んだ技術を活用する
- 双方の領海を相互にパトロールし、上空からも監視する
- 両国の情報当局の共同チームが機能を深める
- フランスと返還協定について直ちに協議するとともに、欧州連合(EU)との間でも返還協定について話し合う
ジョンソン氏は、「英仏海峡の危険なルートを渡る移民をフランスが連れ戻すと定める協定は、直ちに多大な効果があるだろう」とした。
週末に内相会談
イギリスの政府関係者は25日、フランスを訪れ、同国の当局者と協力態勢について話し合う予定。
イギリスのプリティ・パテル内相は、フランスのジェラルド・ダルマナン内相と28日に会談すると述べた。
パテル氏は議会下院で、この問題に対する「即効策はない」と説明。フランス当局に地上の対策員を増やすよう提案したとし、英仏海峡の共同パトロール実現に向けて努力し続けていくと述べた。
また、「長期的な誘因」に対処し、人々を「貨物」として扱う犯罪組織の活動を止めることが大事だと話した。
仏議員が共同警備案を一蹴
一方、英仏海峡に面するフランス・カレー地域選出のピエール=アンリ・デュモン議員は、共同パトロール案を「ばかげている」と一蹴。長大な海岸線では何の変化ももたらさないとした。
フランスのダルマナン内相は、24日の遭難事故を受け、地域の検察当局が加重故殺の疑いで捜査を始めたと明らかにした。
内相によると、生存者2人はフランスの病院で重度の低体温症の治療を受けているが、重体だという。1人はイラク人で、もう1人はソマリア人だと、内相はRTLラジオに話した。
25日には、前日に多数の死者が出たにもかかわらず、さらに多くの人々がイギリスに向けてボートをこぎ出した。
イギリスに追加支援求める
フランスのマクロン大統領は、欧州閣僚らによる緊急会議を開き、英仏海峡の横断を止める方策について話し合うよう呼び掛けた。
マクロン氏は、フランスとしてイギリスに「追加支援」を要請するとした。また、仏当局は移民に対し、フランスにとどまることができると告げているが、移民らは渡英を希望していると話した。
イギリスは7月、国境管理のため今年から来年にかけ、フランスに6270万ユーロ(約80億円)を支払うことで合意した。しかし、英仏海峡を越えて渡英する人は増え続けている。
マクロン氏によると、今年これまでに密航者1552人をフランス北部で拘束した。また、44の密航組織を解散させたという。
それでも、英仏海峡を渡ろうとして未遂に終わった人は約4万7000人、救助された人は約7800人に上っているという。
24日の悲劇では、フランスの海上救助組織SNSMのボランティアを務めるシャルル・ドゥヴォ氏が、沿岸警備隊から救難信号を受けて、いち早く現場に到着した。
同氏はフランスのラジオ局デルタFMに、乗組員と共に、海上を漂っていた死体6体を収容したと話した。
「空気がすっかり抜けたゴムボートの脇を通過した。わずかに残った空気で浮かんでいた。子どもがいたかはわからないが、妊娠した女性1人(の死体)と、18歳か20歳くらいの若い男性1人を引き上げた」
「言葉にするのは難しいが、こうなると思っていた。悲劇に終わるとわかっていて、悲しいことだが、今日そうなった」
海峡横断が急増
死者が出たにもかかわらず、25日朝にはさらに多くの人々が危険な英仏海峡を横断しようとした。英ドーヴァーの近くでは、救命胴衣を着けて身を寄せ合っている一団を乗せた救助艇が見られた。
イギリスでの亡命申請は過去20年で最多となるレベルに増えている。今年は9月までに3万7562人が申請している。
英仏間のドーヴァー海峡は、世界で最も通行量が多い海上交通路となっている。ゴムボードで渡ろうして、多くの人が命を落としている。
フランスからイギリスに渡ろうとする移民は過去最多となっている。今週は24日の遭難事故以外で少なくとも10人が、渡英しようとして死亡したとみられている。
ボートでイギリスに渡った移民は今年、2万5700人を超えている。昨年は8469人だったので、すでに3倍以上になっている。
ただ、この急増は移民の動きの一断面でしかない。その他の手段によるイギリスへの密入国者は今年、大幅に減っている。