米抗議参加者3人死傷事件の裁判、10代被告側が審理無効を主張

Kyle Rittenhouse on the witness stand

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画像説明, カイル・リッテンハウス被告は証言台で涙を流した
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米ウィスコンシン州で昨年、警官の暴力に抗議するデモ参加者3人に発砲し死傷させたとして殺人罪に問われた少年の裁判が10日あり、弁護団が審理無効を主張した。

カイル・リッテンハウス被告(18)の裁判で、判事は検察側に対し、採用されない証拠を法廷に持ち出したとして、怒りをあらわにして非難した。

この後、弁護団は、審理を無効とするよう求めた。

リッテンハウス被告はこのやり取りの前、証言台でむせび泣いた。

同被告は、昨年8月25日にウィスコンシン州ケノーシャの路上で正当防衛として2人を殺し、もう1人にけがを負わせたと証言した。

同被告は、ジョーセフ・ローゼンバウム氏(当時36)とアンソニー・フーバー氏(同26)を射殺し、ゲイジ・グロスクロイツ氏(28)を負傷させたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われている。

ケノーシャでは、警官が黒人男性のジェイコブ・ブレイク氏を銃撃したことを受け、路上で暴動が発生した。その2日後、リッテンハウス被告はイリノイ州の自宅から、半自動ライフルを持ってケノーシャに向かった。暴動から財産を守るのを支援しようとしたと主張している。

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判事と検察官が言い争い

この日は裁判の7日目だった。主任検察官のトマス・ビンガー氏とブルース・シュローダー判事が、法廷で激しく言い合った。

シュローダー判事の怒りを呼んだのは、ビンガー検察官による一連の質問だった。判事は、裁判に関係のない証拠を持ち出さないとした事前の取り決めに、検察官が従っていないと批判した。

「あなたは経験豊富な法廷弁護士だ」と判事は声を荒げた。「何を主張したいのかわからない」。

「良心に基づいて行動していたと言うが、信じられない」

The judge rebuking the lawyers

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画像説明, ブルース・シュローダー判事は検察側を激しく批判した

被告の弁護団は「検察官による行き過ぎた行為」があったとし、先入観を原因とした審理無効を主張した。認められれば、被告は今後裁判にかけられない可能性がある。

シュローダー判事はこの主張への判断は示さなかった。しかし、検察側の今後の態度を考慮したうえで検討すると述べた。

主任弁護士のコーリー・シラファシー氏は、裁判が「まずい方向に向かっている」と考えた検察側が審理無効を狙った可能性があるとも訴えた。

被告の主張

殺人罪に問われた被告が証言台に立つのは、アメリカではリスクが大きいとされる。それをあえてしたリッテンハウス被告は、「間違ったことは何もしていない。自己防衛だった」と主張した。

被告は、燃え上がる火を消そうと消火器を手に中古車販売店の前庭に向かって歩いていた時、「地獄で焼かれろ!」という叫び声を聞いたと述べた。

証拠採用されたビデオ映像には、銃を持った被告が群衆に向かい、「仲良く、仲良く、仲良く」と大きな声をかけていた様子が映っている。

被告は、大勢が「あいつをやれ」と叫ぶのを聞いて、走り出したと説明した。

また、被告が最初に銃撃して死亡させたローゼンバウム氏について、「最初に襲いかかってきた人が、私を殺すと脅した」と述べた。

さらに陪審員らに向かい、ローゼンバウム氏がチェーンを持っていたように一時思えたと主張した。ただ後になって、チェーンではなくビニール袋だったと知ったと述べた。

File photo of a protester in Kenosha

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画像説明, ケノーシャは暴動状態に陥った

人命を奪うことになった発砲の直前の様子を陪審団に語り出すと、リッテンハウス被告は泣き崩れた。判事は休憩を指示した。傍聴席では被告の母親もおえつを漏らしていた。

被告は証言台に戻ると、当時は逃げ場がなかったと述べた。そして、「殺すつもりはなかった。私を殺し、銃を奪おうとする人を止めるつもりだった」と主張した。

映像には、追いかけられた被告が地面に転ぶ場面が記録されている。被告は、数人の男性が自分に向かって来て、生命の危機を感じたと述べた。

また、ローゼンバウム氏を撃ち殺したのは、同氏が自分のライフルに手をかけた後のことだったと訴えた。

A flag outside a Department of Corrections building that burned in the protests

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画像説明, 抗議デモでは火の手も上がった(2020年8月24日)

2番目に銃撃したフーバー氏については、スケートボードで自分を殴打し、ライフルを奪い取ろうとしたのだと述べた。

腕にけがを負わせたグロスクロイツ氏に関しては、自分の頭にピストルを向けて近づいて来たと、被告は主張した。

グロスクロイツ氏は今週すでに、証人として出廷している。被告について、銃を取り出して自分の方に近づいて来たとし、乱射事件を起こすのではないか思ったと述べた。

検察側は被告を、事件当夜に銃撃した人全員を殺そうとした自警団員だったとした。

ビンガー検察官は厳しい反対尋問で、被告にライフルを所持する権利はなかったと争った。また、被告は医療従事者としての訓練を受けていたと主張するが、実際にどこまで訓練を受けていたのか疑問だとした。

動画説明, 警官が黒人を背後から銃撃 米ウィスコンシン州で抗議デモ