豚コレラ、アジアで拡大 消費者物価に影響も

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家畜伝染病「アフリカ豚コレラ」の感染が、アジア各地で広がっている。

インドネシア農業省は18日、北スマトラで3万頭近くの豚が豚コレラで死んだと公表した。

中国では今年、豚コレラによって国内の豚の半数以上が死んだとされる。

オーストラリアでも懸念が高まっており、当局は豚コレラが国内に入り込まないよう対策を強化している。

致死率100%も

国際獣疫事務局(OIE)によると、豚コレラは人間には無害だが、豚が感染すると数日で死に至る場合がある。致死率は最大100%に達することもあるという。

豚コレラのウイルスは生命力が強く、宿主なしで1週間生存が可能。冷凍された豚肉製品だと、ウイルスは何カ月間も生き延びるという。

中国、ヴェトナム、フィリピンで大きな影響

これまでのところ最も影響を受けたのは中国だ。しかし、東南アジア全域で豚コレラの感染拡大が心配されている。

目立っているのが、ヴェトナムとフィリピンだ。

オランダの金融機関ラボバンクは、ヴェトナムで今年、豚肉製品の製造量が21%減ると予測。来年はさらに8%落ち込むとしている。

フィリピンについては、来年、豚の頭数が13%減少する可能性があるとしている。

さらに、中国では今年、豚の頭数が55%減ると分析している。

インドネシア農業相は、同国の豚コレラ感染は現在のところ、北スマトラの一部に限定されていると説明。感染地域を隔絶させるなどの対策を取っていると述べた。

国連食糧農業機関(FAO)によると、豚コレラは、モンゴル、カンボジア、韓国、北朝鮮、ミャンマー、東ティモールでも確認されている。

OIEは、東欧やサハラ以南のアフリカでも、豚コレラがみられるとしている。

豚肉の価格上昇、物価に影響も

この影響で、豚肉の価格がアジア各地で上昇。一部では物価に影響が出ている。

例えば中国では、消費者物価が過去9年間で最大の4.5%上昇。豚肉の高騰が大きな理由とされる。

格付け会社フィッチによると、中国国内の卸売物価は今年、ほぼ2倍に上昇した。東南アジア各地の物価も今後、上昇すると予測している。

ラボバンクは、中国のアメリカからの豚肉の輸入量が倍増したとしている。また、同国の消費者には豚肉以外の肉を買う動きが増えており、牛肉や鶏肉が需要の増加を受け、価格が上がったという。

経済調査会社オックスフォード・エコノミクスのトミー・ウー氏によると、中国では安全管理対策の効果が出始めており、状況は改善に向かっているという。

ただ、完全な回復までには何年もかかるとし、「豚のストックの面では、ピーク時より40%少ない」と分析している。