豪華ヨット沈没、英実業家の遺体を確認 全員の遺体収容 

英実業家マイク・リンチ氏

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イタリアのシチリア島沖で沈没した豪華ヨットの捜索活動で、英実業家マイク・リンチ氏の遺体が収容された。被害者の家族に近い関係者によると、18歳のハンナ氏と思われる遺体も23日に収容された。これで行方不明者全員の遺体が陸に引き上げられた。

全長56メートルのヨット「ベイジアン」は19日に嵐に見舞われて沈没。乗客乗員22人のうち、1歳のイギリス人の女の子を含む15人が救助された。

一方、リンチ氏、娘のハンナ・リンチ氏、英モルガンスタンレー・インターナショナルのジョナサン・ブルーマー取締役会議長(社外取締役)、妻のジュディー・ブルーマー氏、国際法律事務所クリフォード・チャンスのクリス・モーヴィロ弁護士、妻のニーダ・モーヴィロ氏、ヨットの料理人リカード・トーマス氏が行方不明だった。

イタリアの法律では、正式な身元確認が行われるまで、死亡者の名前を公表することは禁じられている。

イタリア沿岸警備隊の報道官は、沈没したヨットを海底から引き上げるかどうかの決定は「現在の議題にはなっていない」が、将来的にはそうなるだろうと述べた。

ヴィンチェンツォ・ザガローラ報道官はPA通信に対し、イタリア沿岸警備隊は、行方不明の女性はヨットの中のどこかにいるというのが有力な仮説だと語った。

沈没したベイジアンの残骸は現在、水深50メートルの海底にある。

救助隊員は、ダイバーによる水中作業は12分間に制限されており、この作戦は「複雑」だと述べている。

捜索活動に当たるイタリアの沿岸警備隊

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画像説明, ダイバーたちは、行方不明の女性がまだボートにいることを前提に作業しているという

両親の死を発表した声明の中で、ブルーマー家は2人を「素晴らしい人たちで、大勢にインスピレーションを与えた」と表現した。

トーマス氏と親しいギャレス・ウィリアムズ氏は、「穏やかな精神の親切な人で、非常に愛されていた」と述べた。

モーヴィロ氏がパートナーを務めていた法律事務所クリフォード・チャンスの広報担当者は、チームは「ショックを受けており、深く悲しんでいる」と述べた。

リンチ氏は、コンピューターによる指紋検出と認識に特化したケンブリッジ・ニューロダイナミクスの設立に貢献して以来、イギリスのハイテク業界で重要な役割を果たしていた。

5年後には、ハイテク企業オートノミーを共同設立。2011年に同社を米大手ヒューレット・パッカードに110億ドル(約1兆6000億円)で売却し、富を築いた。

しかしその後の激しい法廷闘争は、10年以上にわたってリンチ氏の前に立ちはだかった。今年6月には、アメリカで複数の詐欺容疑について無罪判決を受けた。有罪となれば、20年の懲役刑となっていたという。

今回の家族や友人たちとのヨット旅行は、リンチ氏の無罪確定を祝うものだと言われている。

ベイジアン号

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リンチ氏の死に対し、BBCのティム・デイヴィー会長や、オートノミーの共同設立者のデイヴィッド・タビゼル氏が追悼の言葉を発表している。

デイヴィー氏は、2007年にBBCの社外取締役を務めたリンチ氏について、「賢明で、寛大で、洞察力に富んでいた」と語り、BBCのデジタル移行において重要な役割を果たしたと付け加えた。

法律業務用の人工知能(AI)を提供するルミナンスのエレノア・ライトボディ最高経営責任者(CEO)は、創業者のリンチ氏は「他に類を見ない先見の明のある人物」だったと述べた。

オートノミーの共同設立者タビゼル氏は、リンチ氏は「人間スーパーコンピューター」で、探究心を持った偉大な博学者だったと語った。

「私にとって彼はイギリスのスティーヴ・ジョブズだった。彼がいなくなって寂しい。大好きだった」