米赤十字、血液供給不足が「危機的水準」と宣言 史上2度目

献血を終えた女性が仰向けの状態で、白いガーゼをあてた左腕を上げている

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アメリカ赤十字は27日、米国内の血液供給不足が「危機的」水準に達したと発表した。血液の供給量がこれほど低下したのは、米赤十字の150年の歴史で2度目だという。

米赤十字のコートニー・ローレンス博士はBBCに対し、山火事や極端な高温など複数の要因が重なり、現在の状況を招いたと語った。

血液の供給量は先月だけで4分の1減少した。病院で通常、血液需要が高まる夏場に、危機的状況に直面することとなった。

ローレンス博士は夏場により多くの血液が必要になる理由として、交通事故の増加や、屋外で過ごす人が多く、輸血を必要とするけがを負う人が増えるからだと説明する。

米赤十字は、単一の血液供給機関としてはアメリカ最大で、国内供給量の約40%を担っている。ローレンス氏によると、同団体は現在、この時期の通常の水準より約3500ユニット分多い血液を供給している。「血液在庫を非常に低い水準にまで」使わざるを得ない状況だという。

「血液には保存期限があるので、かなり先の時期まで大量に備蓄しておくことはできない」と、ローレンス氏は述べた。

献血者から提供された血液は、時間の経過とともに血球が劣化するため、42日以内に使用しなければならない。

現在、すべての血液型の供給が求められているが、とりわけO型Rh陽性の需要が高まっている。O型Rh陽性は比較的幅広く使用できる血液の型とされ、緊急時に患者の血液型が不明な場合でも輸血に使用できる。

ローレンス氏は、米赤十字が複数の病院に聞き取りを行ったところ、今回の危機が日常の業務になんらかの影響を及ぼす可能性があるとの回答を得たと明らかにした。一部の病院では、「救急対応のための十分な血液を確保できない場合、患者を別の外傷センターに振り分ける必要があるかどうか」を検討しているという。

すでに不足していた血液供給が、危機な水準にまで悪化した背景には、複合的な要因があると、ローレンス氏は強調した。

アメリカでは今夏、高温が続いている。そのため、外出する時間帯を慎重に選ぶ人が多くなったほか、献血の呼びかけを予定していた一部の施設で安全かつ快適な環境を維持できず、献血の実施が困難になったと、ローレンス氏は述べた。

山火事の増加により、一部の血液が振り向けられたことも影響した。さらに、米赤十字によると、アメリカでは「広範囲で食中毒」が発生するという特異な状況も起きた。激しい下痢を引き起こす寄生虫感染症サイクロスポラ症を指しているとみられる。

米赤十字が初めて血液供給の危機を宣言したのは、新型コロナウイルスのパンデミックと厳しい冬の天候が重なった2022年1月だった。

カナダでも血液供給が減少

こうした中、カナダでも血液の供給量が減少している。カナダ血液サービスによると、6月初旬以降、供給量は約20%減っているという。

同団体は声明で、「過去6週間にわたり、毎週1500~2000件の予約分が不足している。患者のニーズを満たすために既存の在庫を使わざるを得なくなっている」と明らかにした。

アメリカと違い、カナダで献血件数が減少している理由は分かっていない。

「夏季には献血件数が減少することが予想され、その点は計画にも組み込まれている。しかし、予約状況は通常の夏の傾向を大きく下回っている」と、カナダ血液サービスは説明した。

「現在、いくつかの血液型については、在庫日数に限りがあるものがある。現在の傾向が好転しない限り、患者のケアに必要な水準は維持できない」