北アイルランドの騒乱が収束 2夜続いたあと

住宅街を歩いている黒いダウンジャケットなどを着た人たちの後ろ姿。前方には背の高い木と、白い壁とレンガ造りの複数階建ての建物が見える
画像説明, 北アイルランド・ベルファスト市ホワイトアビーで、刺傷事件を発端とした抗議行動に約170人が集まった(11日夕)
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英・北アイルランド各地で9日から2夜続いた騒乱は、11日に散発的な抗議行動があったものの、警察による「強固な」対応により、大きな事件に発展することなく収束した。騒乱につながった抗議行動は、8日夜に中心都市ベルファストであった刺傷事件を発端としたものだった。

北アイルランド警察(PSNI)は、さらなる暴力行為が懸念される中、英各地の警察機関からの相互支援要員を含む警官を、北アイルランド全域に追加配備したと発表した。

ベルファストでは8日夜、ナイフを使った刺傷事件が発生。被害者のスティーヴン・オグルヴィ氏が左目を失った。国民保健サービス(NHS)放射線技師の同氏は、右目も損傷し、首と背中も負傷した。この事件の様子を捉えた動画がソーシャルメディア上で広く拡散されたことをきっかけに、北アイルランド各地で抗議行動が起き、一部が暴力的な行動に出て混乱が発生した。

今回の騒乱をめぐっては、親英派の民兵組織が主導しているのではないかとの臆測が出ていたが、それを示す証拠はないと、警察幹部は11日に述べた。

動画説明, 【検証】 北アイルランドで暴力と混乱 ベルファストでの刺傷事件きっかけに

ライアン・ヘンダーソン本部長補は、「現時点では、今回の暴力行為が親英派の民兵組織によって調整されたものだと示す証拠はない」としたうえで、ソーシャルメディア上で活発な動きが見られたと指摘した。

「我々が確認しているのは、ソーシャルメディア上での著しい協調行動だ。北アイルランド内外、そしてアイルランド島外の人々によるもので、あのような活動を引き起こしていた」

「そのような勢いや衝動、そうした有害な雰囲気が、人々を街頭へ駆り立てている。これを止めなければならない」と、ヘンダーソン氏は述べた。

複数の白い警察車両が路上に停まり、黒いヘルメットをかぶり、盾を持った複数の警官が集まっている。奥にはオレンジ色の炎と黒煙、群衆が見える

画像提供, Getty Images

画像説明, ベルファストで8日夜にあった刺傷事件を発端とした暴力行為が、北アイルランド各地で起きた。画像は、チムニー・コーナー・ホテル近くでの抗議行動に対応する警察

北アイルランド各地では9日夜、暴力行為が起き、住宅や企業、車両が標的となった。

混乱は10日も続き、特にグレンゴームリーとポータダウンでは警察が襲撃される事態が起き、放水砲が投入された。

警察によると、10 日夜の騒乱で警官12人が負傷した。また、16人の逮捕者が出た。

11日夕までに、北アイルランド警察は北アイルランド全域で警備態勢を強化し、英各地の警察機関から追加要員を投入した。

ヘンダーソン本部長補は、必要に応じて放水砲や、治安対応犬、「相当数の」警官を展開すると警告し、「我々は街中の秩序回復に向け、断固たる対応を取る」と付け加えた。

11日夜は比較的穏やかな状況が続いた。

アントリム県ホワイトアビーでの抗議行動には約170人が集まり、ベルファスト東部では約100人がニュータウンアーズ・ロードを封鎖した。

しかし、いずれの抗議者も、事件に発展することなく解散した。

北アイルランド自治政府のミシェル・オニール首相は、北アイルランド各地でここ数日「危険かつ恥ずべき人種差別的な攻撃」が起きていると、ソーシャルメディアに投稿した。

「地域社会の中心で、人々が日々、互いを支え合うために取り組んでいることが、十分認識されていない」と、オニール氏は指摘。

その上で、「その連帯の精神こそが、私たちの最良の部分を示している」と付け加えた。