日本ブランド「SK-II」の売上高34%減、中国の反日感情が影響と P&Gの10-12月決算
大井真理子、ビジネス記者

画像提供, Getty Images
米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は23日、2023年第2四半期(10~12月)決算を発表した。同社の高級スキンケアブランド「SK-II」の売上高は34%減少した。
中国市場の回復の遅れに加え、反日感情が影響したと、同社幹部は述べた。
日本は昨年8月、2011年の東日本大震災で大津波に見舞われた東京電力福島第一原発にたまる処理水の太平洋への放出を開始した。
日本政府は2021年4月に、海洋放出計画を発表。国際原子力機関(IAEA)は2年にわたる評価の末、人や環境に与える影響は「無視できる程度」だとした。
しかし、海洋放出に反対する中国は、日本からのすべての水産物の輸入を禁止した。
科学者たちも、処理水による環境への影響はごくわずかだという意見でおおむね一致している。だが、海洋放出をめぐる偽情報が中国国内で恐怖と疑念をあおり、消費者は「SK-II」を含む日本ブランドをボイコットした。
中国にある日本人学校には石が投げつけられ、福島の企業には敵対的な電話が何百件も殺到した。
ただ、P&Gの幹部は、「SK-II」の売上はここ数カ月ですでに回復が見られると述べた。
P&Gのアンドレ・シュルテン最高財務責任者(CFO)は同社の決算報告で、「当社の消費者調査では、SK-IIブランドに対するセンチメントは改善しつつあることが示唆されている。下半期には順次改善すると見込んでいる」とした。
「SK-II」などの日本ブランドが中国で不買運動に直面するのは今回が初めてではない。
2012年には尖閣諸島をめぐり、中国全土で反日デモが相次いだ。トヨタやホンダ、日産といった日本の自動車メーカーのショールームが襲撃されるなどし、生産がストップした。
ソニーやユニクロ、イオンなども影響を受けた。
日本では尖閣諸島、中国では釣魚島と呼ばれる無人島は日本が管理している。しかし、中国と台湾は領有権を主張している。
P&Gのジョン・モーラー最高経営責任者(CEO)は決済報告で、これまでも日中の緊張関係は「SK-II」の売上に打撃を与えたが、その都度、同ブランドは回復したと述べた。
一方、同社はかみそりブランド「ジレット」に関連する一過性の費用を計上し、通期業績予想を下方修正した。
グルーミングとホームケア分野を中心とする日用品への需要は、高価格にもかかわらず堅調を維持した。







