BBCの元ジャーナリスト、ウクライナの前線で死亡 領土防衛隊の任務中
スヴィトラナ・ドロシュ(キーウ)、カテリナ・キンクロワ(ロンドン)、BBCニュース・ウクライナ

画像提供, Sasha Bondarenko/Facebook
BBCニュースの元ジャーナリストでウクライナ人の、オレクサンドル・ボンダレンコ氏が、ウクライナの最前線での領土防衛隊の任務中に死亡した。
ボンダレンコ氏は2022年2月、ロシアの全面的なウクライナ侵攻が始まった際に、ウクライナの領土防衛隊に志願し、通信の専門家やメディアトレーナーとして活動。後に軍の一員となった。
どのように亡くなったのか、詳細は明らかになっていない。
親しい友人たちは、「戦闘中に死が彼に追いついた」とだけ話している。
友人やBBCの元同僚、ウクライナのメディア・コミュニティーは、通信の専門家として成功した、才能あるジャーナリストに敬意を表した。
サーシャやサシュコと呼ばれていたボンダレンコ氏は、ウクライナ東部ルハンスク出身。
2007年から2011年まで、BBCウクライナ語サービスのニュース記者やプレゼンター、キーウから放送されるラジオ番組の編集長を務めた。その後、ほかのメディアで働くためBBCを離れた。

画像提供, RMA
開戦当初、ボンダレンコ氏はウクライナの大手通信会社RMAで特別プロジェクトを担当した。RMAのスタッフは、ボンダレンコ氏は知性やユーモア、影響力を持った人だったと敬意を表した。
ロシアの侵略から自国を守るため、ウクライナのあらゆる分野で多くの民間人がそれまでの職を離れた。ボンダレンコ氏もその中の1人だった。
ウクライナのトップ・ロックバンドの1つ「アンティティラ」のメンバーは陸軍衛生兵となり、テレビなどに出演していたジャーナリストのパブロ・カザリン氏やユーリイ・マツァルスキー氏といったウクライナの著名人も軍に入隊している。
戦地での取材中に命を落としたジャーナリストも少なくない。南部ヘルソン州では26日、イタリア紙ラ・レプブリカの取材スタッフとして働いていたウクライナ人ジャーナリストが狙撃兵に射殺された。
RMAのヴァシル・サモクヴァロフ氏は、侵攻1日目に領土防衛隊に志願したボンダレンコ氏に賛辞を送った。「鋼の意志がある人だった。最も明確な動機がある人だった。そして、最高の音楽プレイリストを持つ人だった」。
BBCウクライナ語サービスの元責任者、マチェク・ベルナット=レズジンスキー氏は、ボンダレンコ氏がキーウのチームにいてくれたのは非常に幸運なことだったと述べた。「この非凡な男は常に新しい挑戦に向き合っていた。侵略から自分の国を守るという、最後の勇敢な挑戦も含めて」。
ボンダレンコ氏はルハンスクの教育大学を卒業後、東部の地方ラジオ局でジャーナリズムのキャリアを開始。ウクライナの主要テレビチャンネルやBBCウクライナ語サービスでも活動した。

「キーウのオフィスでの気ままな日々や、一緒に笑ったことしか思い出せないのに、一緒に撮った写真を見て涙が止まりません」と、BBCウクライナ語サービスのマルタ・ショカロ編集長は話した。
ボンダレンコ氏はテレビ記者として、2013年から14年にかけてキーウで起きた大規模な反政府デモ「マイダン」や、2014年3月のロシアによるクリミア併合も取材した。
ウクライナとロシアの複雑な関係に関する、ウクライナ東部出身の見識は、とりわけ貴重とされていた。
練習熱心なアスリートでもあり、ボスポラス海峡を泳いで渡るという長年の夢を達成したこともある。フェイスブックに公開されている最後の写真には、「ハルキウのどこかの森で撮影」とのキャプションが添えられている。

画像提供, Sasha Bondarenko/Facebook









