中国で殺人罪で27年服役の男性、再審無罪で釈放

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中国東部・江西省で4日、殺人罪で27年間服役した男性が再審で無罪となり、釈放された。
釈放されたのはジャン・ユーファン氏。1993年に少年2人を殺害したと自白したが、警察から拷問を受けて強要されたものだと主張してきた。
ジャン氏は実に9778日もの間、収監されていた。中国で冤罪(えんざい)によって最も長く服役した受刑者となった。
この事件の再審を行った検察官は、ジャン氏の自白には矛盾があり、事件と一致しないと述べた。
証拠不十分と判断
高等裁判所はジャン氏に対する有罪判決を正当だと理由付けるのに十分な証拠がないと判断。ジャン氏は釈放された。
評論家は、中国は不当な有罪判決を取り消すことに意欲的になりつつあるものの、対象はあくまでも刑事犯罪のみで、政治犯罪は含まれないと指摘する。
中国メディアが報じた動画には、ジャン氏が83歳の母親と元妻と感動的な再会を果たす様子が映っていた。
元妻のソン・シャオンユ氏とジャン氏の間には2人の息子がいる。11年前に離婚し、ソン氏は他の男性と再婚したが、ジャン氏の再審の訴えに協力し続けてきた。
「裁判所の判断を聞いてすごく興奮した」とソン氏は述べた。
ジャン氏は、不当な有罪判決に対する賠償金を受け取る権利があると、裁判所から告げられた。
ジャン氏の弁護人は、「ジャン氏と賠償額について交渉するつもりだ」と中国国営の英字紙チャイナ・デイリーに述べた。「我々はまた、この事件で誤審を犯した者たちの責任を問う方針だ」。
少年2人の遺体
ジャン氏の苦しい試練は、1993年10月に江西省南昌市進賢県の村の貯水池で少年2人の遺体が発見された時から始まった。
被害者2人の隣人だったジャン氏は、容疑者として拘束された。
<中国(CHINA)江西省南昌市(JIANGXI Nanchang)と首都北京(Beijing)の位置関係>
1995年1月、南昌市の裁判所はジャン氏を有罪とし、死刑を宣告した。しかし2年後、無期懲役への減刑が認められた。
ジャン氏は当時、取り調べ中に警察から拷問を受けたとし、無罪を主張し続けた。それにも関わらず、ジャン氏の再審請求は受け入れられなかった。
ところが2019年3月、高等裁判所はこの事件の再審を承認。すると同年7月に地方検察官が、証拠不十分としてジャン氏を無罪にするよう求めた。
高等裁判所の裁判官は声明で、「我々が見つけた資料などを見直した結果、ジャン氏の有罪を証明できる直接的な証拠はないことがわかった。そのため、検察の提案を受け入れ、ジャン氏の無罪を言い渡す」と述べた。
少年2人を殺害した犯人が誰なのかは今もわかっていない。

<解説>強制的な自白を取り締まる中国――セリア・ハットン、BBCワールド・サービス アジア太平洋担当編集長
警察が睡眠の妨害や、たばこの火の押し付け、殴打など様々な拷問で自白を強要しているのは、中国では公然の秘密だ。過去には、訴訟の行方がすべて、こうした「自白」次第だったこともあった。
2010年になると、中国の法制度では、強要した自白の証拠使用を根絶するための真剣な努力が始まった。死刑判決は中国の最高裁判所で認められなければならず、捜査段階の自白だけに頼るのをやめる動きが強まっている。
しかし中国の司法改革には明確な限界が存在する。多くの省の警察は、依然として事件を「解決」しなければならないという重圧にさらされている。これは多くの場合、容疑者を捕まえることを意味する。また、反体制派やイスラム教徒のウイグル人を含む一部の少数民族の扱いを改善することへの意欲はほとんどない。
当局は政治的に厄介な事件で定期的に人々を拘束し、通常の拘束制度の範ちゅうを超えた尋問を行っている。閉じられた扉の向こう側では、ほぼどんなことでも起こりうる。中国が犯罪容疑者の扱いを改革する可能性は、共産党の支配を脅かすと思われる人物への扱いを改革するよりもはるかに高いといえる。









